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祭りの前夜、ログアウト権が競売にかかる

第12話です。廃村サーバー黒字化を進めます。

セリカ村復興祭は、花火なしで開催することになった。


 屋台は持ち寄り。舞台は荷車。宣伝は配信者たちの口コミ。予算は過去の勇者祭りの十分の一だ。


 その前夜、運営オークションに妙な品が出た。


『一時ログアウト権』


 価格は十万Gから始まり、すぐに跳ね上がった。ログアウト不可イベントに巻き込まれたプレイヤーたちが殺到したのだ。


 リュウが湊を見る。


「買いましょう。湊さんだけでも」


「買わない」


「どうして」


「村の金だから」


 湊は自分の眠気を飲み込んだ。本当は帰りたい。現実の部屋で、冷めた弁当でもいいから食べたい。


 だが十万Gは、明日の仕入れと警備費になる。


 湊は代わりに、運営へ問い合わせを送った。


『ログアウト権の競売収益はどこへ計上されますか』


 返事はない。


 しかしその夜、オークションは突然中止になった。


 湊は笑わなかった。ただ、収支表に空欄を一つ作った。


 運営にも、帳簿に載せたくない収入がある。

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