『平謝り』 上辺だけの謝罪じゃない、ひたすらに謝り続けてるだけなんです
ネタが思い浮かんだ僕は小説を書く。
何気ない日常からそれっぽいシーンを連想して書くのは面白い。
# # # # # #
その冒険者たちは失敗したと言うのに悪びれる様子もない。
「あー、わりぃわりぃ。でもどうせ俺らが守らなくても大丈夫だろ?」
なんて平謝りしてくるほどだ。
こんな奴らがCランクの冒険者?
僕はギルドに報告をする……のではなくこの冒険者たちの性根を叩きなおすことに決めた。
# # # # # #
「ふぇふぇふぇふぇーっくしょん、誤用だよ♪それ誤用だよ♪あっそれっくしょん」
「今回は新しい指摘の方法ッ!!」
リズムを取りながらくしゃみをするレッコン。
文字にすると普通? だが実際に耳にしていると音も汚いし唾も汚い。2Kだ。
「平謝りの使い方が誤用なんだっくしょん」
「えー、平頭りって頭をペコペコ下げてるだけでしょ?」
「絵面は間違ってないね。でも、違うよ」
# # # # # #
『平謝り』
ひたすらに謝る、という意味。
※上辺だけの謝罪、という意味は存在しない。
失礼な謝罪という訳ではないので注意。
例)自分のミスで多大な迷惑を掛けてしまい、負担をかけた人達に平謝りをする。
# # # # # #
平謝り、なんと適当な謝罪ではなかったのだ。
「そうだったんだ」
「ほら、テレビとかでサラリーマンがペコペコ謝るじゃない。それを平謝りって表現してその後にサラリーマンが心の中で毒吐いてるのを見て誤用された……んじゃないかなあ?」
「誤用の始まりは分からないのね」
「まあ、誤用の始まりを覚えておくと分かりやすいけど、大事なのは意味をしっかりと覚えることだからね」
そう言ったレッコンに僕は頷いたのだった。
上辺だけでなく、本心から。




