第十八話
お久しぶりですっ♪
それから、クロスはサーカスの芸の訓練を始めた。
サーカスは大きく分けて3つのランク付けがある、ということを『トール』から聞いた。
「ランクは上から順に、『メイン』、『サブ』、『ノーネーム』って呼ばれるのよ」
「もちろん、トールはメイン、だろ?」
トールは嬉しそうに微笑みながら頷く。
「そうね。メインは最初に会った人たち……ごくわずかなの。みんなすっごくて、サーカスの花だよ」
「じゃ、サブ、って言うのがサーカスのわき役みたいなやつらか」
「そうだよ。で、ノーネームはサーカスに出ることができない、ジョーカーから名前を貰っていない新人かな?」
ランクが上がれば、良い生活ができるし、扱いも良くなる。
だから、みんな頑張っているの。なのに……ね。
つまり、メインの奴らも含め、新人がいきなりサブになることが気に食わないのだろう。
しかし、あのジョーカーとか言う男は一体何を考えているんだ?
「ベト、何を考えているんだ?」
「あ……、えっと、ナイフ、だっけか」
こくり、と頷く。
「今日はナイフ投げの適性を判断する」
ナイフはクロスにナイフを渡す。
「なぜ、ここに来た?」
耳元で囁く。
「は?」
「このサーカスはやめておけ。お前達が来るはずではない」
それだけ言うと、ナイフはナイフ投げの準備をする。
「まず、あの的に当ててみろ」
15メートルほど先に半径1メートルほどの的が置かれた。
クロスは狙いを定め、投げる。
風を割く音がして、ナイフは的の中央に刺さった。
「慣れているな」
「当たり前だろ、これぐらい」
クロスが言うと、ナイフはかすかに笑う。
「その才能がうらやましいな」
「お前の方がうまいだろ?」
サーカスの時、ナイフはクロスよりも倍以上の距離で正確に的の中央に投げていた。
「どうだろうな……。ま、これからよろしくな、ベト」
「ああ……」
クロスはまだ知らなかった。
これから待ち受ける運命と、サーカスの真実を……。




