嘘だと言ってくれ〜〜
通知は蒼空からだった。メッセージを受け取り俺は絶望した。
「う、嘘だろ……」
蒼空のメッセージがこれだ。
「大地。忘れてるかもだから、一応伝えとくけど、明日テストだからね」
やばいやばいやばいやばいぞ。ちょいちょいちょい。嘘だって言ってくれ。
異世界に転生したら、今の知識なんて要らないんだから。適当にやればいいだろ。そう絶望することないだろ。
とか思ってんじゃないだろうな。チッチッチッチッその考えは、甘いな!!
いいか? よく聞け。転生系の漫画とかではな。この現在の知識で無双するとかそうゆう話をよく聞くだろ。異世界先で俺が無双できる可能性を少しでも上げるために。俺はこの世の知識を知らなければいけないんだぁ~~~。
さっき読んでいた漫画内でも、この世の知識を使用してるんだ。俺は、アホでもバカでもないから、この世を諦めたりしないのだ!!
と、自慢げに考えてる場合じゃねぇ。早く勉強せな。ほんまにヤバいことになる。
スマホを壊れない程度にソファにぶん投げた。そして、急いで机に向かった。ノートと教科書を開き、準備は満タンだ。だがしかし、まったくもって集中できない。段々焦りも増え、余計に集中できなくなった。
「しょうがない。この手は使いたくなかったが……」
* * *
寝なきゃいけんのに。寝れないあれだ。ほら、遠足前の子供みたいな。あぁ、”ぷ、お前子供かよ”って思ったやつに出てこい。ぶっ飛ばす。
まぁ子供に変わりないんだがよ。高校生だし。成人しとらんし。だけどよ。遠足前の子供って言ったあとに子供かよって言ったやつは許せん。なんでかって? そんなん決まっとる。だってそれは幼稚だってことやろ。それは許せん。俺は高校生の子供であって。幼稚園生の幼児ではない。分かったか。そこを勘違いされたら、俺の尊厳が……。
* * *
「というわけでありまして。蒼空様もテスト勉強でお忙しいこと重々承知しておりますが、何卒何卒私めに勉強を教えてくれないでしょうか?」
「とりあえず状況は分かった。そこでだ、大地。今の時刻はなんだ?」
「えっと11時28分でございます」
「じゃあ僕が大地に連絡したのは?」
「えっと確か……。帰ってすぐだったか……。すぐでしたので、1時か2時ぐらいでございます」
「電話するならもっと早くに電話するべきじゃなかった?僕、送ったよね。分からない所があったら、教えるから頑張ってねって」
俺はスマホをぶん投げた時の事を思い出した。その時画面をつけっぱにしていたことを。
「僕そろそろ寝ようと思ってたんだけどな」
「ももも申し訳ございません。明日がテストだって聞いて、俺焦っちゃって。俺なりに頑張ろうとしたんだけど。なかなか集中できなくて……。最後の砦って思って蒼空に……。気づかずにすいません」
虚しく響く俺の声に重なるように、電話越しからため息が聞こえた。
「はぁ~今度なんか奢れよ」
「ってことは……。もしかしなくても……」
「今回だけだからね」
「やっ……。んっんっ。身に余る光栄でございます」
「てか、いつまで敬語続けんの?とりあえず敬語はやめやめ」
「お願い事してたからさ。敬語の方が良いかなって。とりあえず、まじでありがとう蒼空~。俺頑張るね」
「朝、神様に願い事をするときはそんな敬語じゃなかったのに?」
「漫画とかで語り掛けるときは、タメだろ。そんなイジんなし」
「言い訳しないで。ほら早く勉強すんぞ。時間ないんだから」
「は~い」
* * *
まじで蒼空優しいよな。
先生もよく言ってたな。”テスト勉強も大切だが、睡眠も大事だぞ”って。それなのに蒼空ったら、俺のために睡眠時間まで削ってくれてなんていい子なんだ。
* * *




