まさかあんなに会議を重ねるとは思ってもいなかったんです
「ただいま」
玄関では飼い犬のサモエドのブランがお出迎えをしてくれた。ブランは家族会議を何重にも重ねては重ねを繰り返して決まった名前だ。
どうしてそんなにも家族会議が捗ったのかって? それはだな……。
最初に候補に出たのは、白、雪、魂、雪氷白月等々とまぁ色々沢山出たわけだ。
ちなみにどれが俺の提案した名前か分かるか? 一つだけ格が違うのがあるだろ。そう、雪氷白月。いい名前だと思ったんだけどな。これはさすがに……。絶対にないわ……。とまぁ、家族に猛反対されて悲しくも雪氷白月は候補から外された。
しかし、白や雪はシンプル過ぎて嫌だ。と、今度は俺が猛反対した。
そのため、家族会議は俺らの予想を超え、何度も開催された。改良に改良を重ねた結果。ようやく皆が納得する一つの案が出てきた。それが今の名ブランなのだ。
俺はソファに寝っ転がりながら、異世界転生する漫画を読み始めた。それは、いざという時の知識を蓄えるためだ。決して、お遊びでしてる事ではない。
そんな時、ピコんっとスマホから音が出た。画面には今ハマっている転生系のアニメキャラ映し出されている。その上に今日の日付11月25日と書かれている。そんな日付の下でキャラに被さるように通知が映し出されていた。
* * *
あぁ~どうしてどうしてなんですか。俺も人間として転生したかった……。
あ、いやこれは違くて……。そう違う。他にはない。見たこと無い転生先。つまり、一番乗り。こんな優越感どこで味わえますか? ここしかないでしょってわけで俺は木に転生出来てとても嬉しく思っておりますよ。
まぁ正直に言えば、せめて動けて、喋る相手が欲しかったってだけっす。そんな時に人間に転生したアニメキャラを思い出して思わず……。転生させてもらった身が、出過ぎたマネをして申し訳ございません。
謝罪はこれくらいにして。お久しぶりのコーナです。前回、自重しろとの意見が多かったため、頑張って抑えていたんですよ。寂しかったですか? 心細かっただろ? そうだろそうだろ。もっとこのコーナを味わいたいだろ。
え、こんなコーナがなくて清々しかったのに何で戻って来たんだよ。邪魔くせぇんだよ。なんですか。その言い方はお母さん。そんな子に育て覚えはありません。
そうだろうよ。育ててもらってねぇんだから。
とりあえず俺頑張って自重してたんだぞ。ブランが出てきたところとかブランの愛を叫びたくてうずうずしてたんだからよ。ってことで今ここで一緒にブランへの愛を囁きたいと思います~。
叫ぶんじゃなかったのかよ。もう、いつも言ってるでしょ。細かい事はほっとっけって。そんなこと言われてないって。いいから俺の話を聞け~。
ブラン。あぁ~ブラン。そのもふもふの毛。恋しい。
恋しいだよ。あのもっふもふの毛に顔をうずめてぇよ~。ブランのあのご飯待ちの笑顔が見てぇんだよ~。一緒に遊びたいよ~。いつも玄関でお出迎えしてくれて、俺が来たら尻尾振って立ち上がって寄ってくるあのブランに。会いたい。触れたい。
と、まぁ。叫ぶも囁きもしたんで許してくだせぇ。
何々そんな話どうでもいいから早く回想シーンに映れって? 嬉しい事言うじゃんかよ。俺の前世に興味津々かよ。この~。
いや、ただ単に通知が何か気になるだけって冷たいこと言うなよな。
はい、こちらがその答えです。
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