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念願の異世界転生、転生先はまさかの木!!  作者: 未光
前世の話をしまようか

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21/23

将来……。異世界転生以外の俺の夢ってなんだ?

「蒼空~。待たせたな」


 蒼空はブランに目線をやり目を見開いてから言った。


「ブラン……だっけ?」

「そうそう。散歩用具の前に座られて断れなかったんだよ……」


 俺がげんなりしている中、ブランはキラキラした目でワンと鳴いた。

 蒼空はブランと目線を合わせて撫でた。


「もっふもふ!!」

「だろ!! 自慢のもふもふだ!!」


 俺とブランは揃ってドヤ顔をした。


「なんか似てるね」

「そうか?」

「そうだよ」

「まぁいい。さっそく上るか」


 階段を上り始める。ブランは先陣きって、ピョンピョン階段を上っていた。

 そして話は昨日のブランとの神社の話になった。


「聞いてよ。昨日ブランのやつ俺が抱えて階段を下ったって言うのに。さだかも自力で下りましたみたいにドヤ顔してるんだぜ。こうゆうのってなんて言うんだっけ? 横取り?」

「抱えてるの偉いな。まぁ横取りでいいんじゃないか?」

「いや、あれは仕方がなかったんだよ。学校に早く行きたくて時間がなかっただけで……。でもまぁ褒め言葉はありがたくいただいとくよ」


 そんなことを話していると勢いのあったブランに変化が起きた。スピードが落ちたのだ。


「そうそう。これこれ。昨日もこんな風に勢いが減っていったんだよ。まぁ昨日はギリギリ保って最後まで登り切ったけど……」


 俺らのスピードは落ちることなくブランを追い越した。

 俺は振り返りしゃがんでブランと目線を合わせて言った。


「ほら、自分で登るからこそ絶景が待ってるんだぞ。ほら、がんば」


 そして今日もなんやかんやで自力で登り切ったブランなのであった。


 登り切ると蒼空は後ろを見ては景色に見とれていた。そんな蒼空の横顔を見てから俺も景色を見た。


「ここの景色いいだろ。俺のお気に入りなんだ」


 再び蒼空に向き、歯を見せて笑った。

 風が二人の間を通った。


「そういや蒼空。金、持ってんの?」

「まぁ一応五円ぐらいは持ってるよ」

「115円じゃないのか!! 取りに戻るか?」

「5円だって演技はいいだろ」

「そうだけど……」

「ほらほら、願い事するんだろ」

「おぉ」


 お賽銭箱に金を入れる。チャリン。


「今日でようやくテストが終了しました。明日からまた朝からここに来れそうです。隣にのこいつは俺の幼馴染の鳥羽蒼空です。ほんと良いやつで昨日何んか俺のために夜遅くまで勉強を教えてくれたんです。ほんと、頭が上がりません。

 俺、俺なりに色々頑張って努力して来たる日の異世界転生に向けて頑張っています。神様もお忙しいこと重々承知しております。今だって、忙しすぎて俺の話なんかテレビ見ながらのながら聞きかもしれません。それでも、そうだとしても俺の願いは変わりません。

 俺はあの世界に憧れた。ロマンの詰まった異世界に、俺は憧れた。それが、それだけが俺の中に強くこびりついて離したくても離れない夢、願い、目標なんです。

 将来のことなんか俺には分からない。みんな将来のことを考える中、俺は現実的な夢を持てすに置きざれにされている気分で。心のどこかでは分かってるんだ。こんな夢を中止に将来を見ちゃいけねぇって。夢を捨てると言う選択肢は俺にはない。だけど、せめてこの世の中での、現実的な夢も持ちたい。でなきゃ、俺はこの先何を目指して進めばいいか分からない。

 なぁ神様。俺は……。

 俺らしくないな。ここはちゃんと俺らしく自分のすべてに胸張って生きていくだけっすもんね。

 俺の夢が叶いますように……。

 異世界転生出来ますように!!」


 もう一度お辞儀をして目を開いた。

 隣はもうとっくにこちらを見ていた。


「長かったね。いつもあんな長いの?」

「そりゃ、今日の出来事やらを日記? みたいに話してるからな。長くなるのもしょうがないじゃないか? まぁ今回はちょっと途中で脱線しちゃったけど……」

「日記って……。お参りってそんな感覚なんかい」

「毎日通ってるとね……。ほら毎回、「異世界転生出来ますように」だけじゃ飽きて聞いてくれないかもしれないだろ。俺の気持ちを知ってほしいから、まずは聞いてもらえるように努力してんだよ」

「大地なりに色々やってんだな」

「そうそう」


 頷きながら言う。

 物音が聞こえ振り返るとブランが蝶々を追いかけるようにして戯れてた。


「お~い、ブラン。そこで体力使いすぎんなよ。今から階段下りるんだから」


 ブランは戯れ続けてる。


「こりゃ聞こえてないな」


 首のところを触り、ブランに近づく。


「ほら、帰るぞ」

「クゥ~ン」


 ブランは階段を見下ろし、少し経ってから重たい足を前へ出した。

 そして俺らも階段を下りる。


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