借りた借りは早めに返した方がいいからな
「これでようやくテストが終わったぁ~!!!!」
「よかったね」
「これで俺は遊び放題だ」
「そしたらまたテスト勉強大変になるよ」
「終わった直後から次のテストの事を考えてるなんて……。やっぱり蒼空はすごいな」
「大地には及ばないけどね」
「なにおっしゃい。てか、俺今から神社に寄るんだけどさ」
「あぁ~朝活してるんだって自慢してるあの神社?」
「そうそう。今日は蒼空と一緒に徹夜して朝に余裕がなかったから、今から行こうと思って。せっかくだし、蒼空も一緒に行こうって。どう?」
「うんうん。行こ行こ」
頷いて答えた。
「よっしゃ行くか。……ちょっと待って」
天に上げた手で顔を覆い考える。
「どうしたん?」
「嫌な予感が……」
財布の中身を確認したところ。小銭は入っているが115円が作れない。いや、正直に言ったら作れる。だけどそこは百円、十円、五円で行きたいところ……。
財布の中身をじっと見て、ようやく口を開く。
「ごめん。金、なかったわ」
「そっかじゃあ今日は神社に行かないのか?」
「いや、一回家帰ってから行こうかなって」
「僕も一緒に行っていいか?」
「え、逆に良いの? 少し待つことになるけど……」
「全然大丈夫」
「おk。すぐ戻ってくるから」
「気をつけてな」
走りながら蒼空に手を振ってまた走り始めた。
「はぁはぁ」
荒い息のまま玄関に入る。
「ただいま……」
ブランは相変わらずお出迎えしてくれている。
「今日はすぐに戻んなきゃいけないんだよ。蒼空が待ってるからな」
お金を急いで取り出し財布に入れる。
そんな中ブランは散歩用具の近くに行きちょこんと座った。まるで「じゃあお散歩できないの?」と言いたげに俺を見つめてくる。
「あのな。そんな風にされても別に連れってってやんないんだからな」
そしていつの間にかリードを付けたブランと外に出ていた。
「なぜだ? なぜこうなる。もしかして俺、可愛いのに弱かったりするのか? いや、そんなことは決してない。ブランが毎日のようにお出迎えしてくれてるからそれに報いなきゃって。借りを作りっぱなしってのは良くないからな。そう、これはただ借りを返すためにやっていることだ」
自分に言い聞かせるようにブツブツと言った。そしたらブランが歩いてリードを張らした。
「そうだよな。こんなことしてる場合じゃねぇ。俺らには蒼空が待ってるんだ。ほら、行くぞ!!」
「ワン」
元気よく返事をしたブランと走って蒼空が待ってる神社に向かった。




