そう、俺は偉い子なのだよ
「蒼空。一緒に帰ろ」
「う、うん」
そして俺は一緒に帰り道を並んで歩いた。
「明日終わればテストもようやく終わりだな。テストは嫌いだが、あの終わった後の解放感が堪らんのよな」
「そうだね……。でも、大地が今考えなきゃいけないことは明日のテストだよ。まだ、テストは終わってないんだから」
「うぅ……別に良いじゃんかよ」
「そうだ。今日こそ僕が勉強教えようか?」
「でも……俺のせいで蒼空の点数が悪くなったりでもしたら俺……。俺が許せない!! 多分一日は寝込むな」
考える人みたいな手のポーズをして真剣に言った。真剣に言ったのに。蒼空は笑って言った。
「一日かよ。そこは三日は寝込むだろ」
「だって三日も寝込んだら学校休む羽目になるだろ。俺の成績の為に蒼空が自分自身の成績を犠牲にしたのであれば。俺はせめてもの償いとして自身の成績を上げなければならない。そうゆうことだろベイビー」
かっこつけて蒼空にウインクする。
「ほんっとそうゆうところなんだよな。大地……」
「ん?」
「? あぁ~なんでもない。気にしないで。ちょっと心の声が漏れただけだから」
「気になるだろ。教えろよ」
ちょっかいをかけるように肩で肩を軽く押した。
「……。ベイビーって大地が僕に言える立場なのかなって」
「蒼空……。俺も同じこと思ってた。やっぱそうだよな。逆はあっても。俺が蒼空をベイビー呼ばわりできるとは思えん」
「そうそう」
蒼空は頷きながら同意する。
「でもまぁ流れ的に口が勝手に動いたんでね」
「そうだと思って深追いしなかったんだけど?」
「そうっすよね。でも、気になるこの好奇心は誰にも止められないから」
「はいはい」
「ちょ聞いてんの?」
「聞いてる聞いてる。で、今日どうすんの?」
「今日って何曜日だっけ?」
「木曜日だよ」
「じゃあおにぃ今日バイトで帰るの遅いわ」
「ってことは……」
「蒼空様ぜひ教えてください」
蒼空は小さくガッツポーズをした。
「もちろん。いいよ」
「よっしゃー!!」
それに続くように俺は天に向かって大きくガッツポーズをした。
家に到着した。
「ただいま」
「ワン」
「ちょっと待ってな。手、洗いに行くから」
* * *
そう、俺は家に帰ったらまず手を洗う良い子なのだよ。えっへん。
もし、俺の前世シーンが終了しても現世になんも進展がなかったらどうしよ……。
木なんだし大人しくずっと立ってろって言うですか? それはさすがに鬼畜すぎる……。
てか、俺が木だってちゃんと覚えてますか? ただたんの感想会じゃないんですよ。ここは!! ここは、現世に進展があるようにする場所。いや、違うな。ただの時間稼ぎだよ。
だってだってさすがに前世の回想シーンが終わっても暇だったら嫌だし……。それだったら最初っから前世の回想シーンに時間を費やした方が良いんじゃないかって。
そうゆう事ですよ。
とりあえず俺が死んだところまで言っても尚暇だったら。何するか一緒に考えようじゃないか。
・・・
なんも思いつかん。でもまぁちっちゃいころの思い出とか。ここから見える景色を詳しく言うとか。それは代り映えしないし、なんなら前似たようなのやったし。
詳しくってなんだよ!! 星について語れば良いのか? 俺、オリオン座ぐらいしか分からんよ? あ、でも異世界だから、星座も違ったりするのか? そもそもまだここが異世界かどうかも分からないんだった。
オリオン座があるかいないかで見極めれば?
それは俺も一瞬頭を過った。でも、考えて欲しい。この空には大量の星があって俺には分からん。前世は周りが明るかったから、数少なくてオリオン座もすぐに見つけられたけど……。
さすがにこの大量の星から探すのは俺には無理だ。
まぁまぁずっとこうやって喋ってればいいだろ。お前一人で結構ずっと喋れそうだし。
確かに俺は結構喋れるほうかもしれない。だが、寂しいもんは寂しいのだよ。
まずまずだな。
長くなるから、前世の回想シーンに戻らせていただきます。
* * *




