ep.6 正雄のアルバイト〜ウォルターウルフ
親父が軽トラにバイクを積んでやって来る。
「正雄、ちょっと面白いのを持って行くぞ。」
この親父の言い方、ちょっとやそっとじゃ無いぞ、相当だろう!
「あー面白いのって、何?」
僕は期待と裏腹に、素っ気ない返事をする。
「そっちに着いてからのお楽しみ。」
親父の趣味からして面白いのって、、、たぶん2スト、NSRかも。もしかしたらRZの350(サンパン)かNSの400だったりして?!
期待しちゃうぞ。
親父がちょっとしたバイトを紹介してくれた。
それは2、3ヶ月に一回程度でバイクの試乗を行う事である。
対象となるバイクはどれも中古車だそうで、僕は1〜2週間位それに乗る予定。
目的としては、試乗して僕が『感じて』、持った『印象』を『気持ち』として表す、インプレッション記事の作成である。
それに合わせて、中古車の一般整備後の不具合や“癖”を見付ける契機になればとの事。
バイクに限らず車の新車や新型車が出れば、誰かがソレの説明と合わせてインプレションが記事になる事は多い。
それはもしかしたら、その車体の売り上げに影響しちゃうかも。
それだったら責任重大だ、僕には出来ません。
僕のこの中古車の試乗は、オートバイのネット記事を作成する人のお手伝いになるそうなんだけど、本人以外の第三者からの視点が欲しいと。
新車の状態のインプレションよりも、もっと生の声、それこそリアルな感想。
それは一般的な車種というよりは、目の前にある特定のバイクに対して、その単車が個として持つ程度や痛み、癖なんかも分かったら面白いと。
だから記事を目にした人が、どこの誰かの運転者が持った感想や意見なのかを想像し易い様に、僕の身長や体重に体型だか体格、年齢幅や運転歴、スポーツの経験などを聞かれた。
車体に対する僕個人としての点数付けの評価は含まれないのだけど、感覚として個人的な好き嫌いの『良し悪し』は欲しいと。
自分が得た感覚を表現として記す、それって意外と難しいかも。
親父がやればいいのに。
一応、原稿料というか報酬は出るとの事。
バイトで報酬と聞いて喜んだけど、実は色々なバイクに乗れる可能性が有る内容に惹かれた。
僕は集合場所であり、バイクの受け渡しの場所となるオートバイ店『モトハウス・グッチ』に一足先に着き、グッチさんと一緒に親父の到着を待った。
とにかく、親父が何を持って来るのかが楽しみだ。
「マジかよ、、、」到着した軽トラの荷台の上のバイクカバーがめくられるのを見て、僕は少し言葉を失った。
僕の目に飛び込んで来たのは、青紫掛かった黒いフルカウルにゴールドのラインと赤い文字。スズキのガンマ、それも500だ!
RG-Γ(ガンマ)500WW(ウォルターウルフ)!
「うわぁ~、どうしたの?」
「ああ、ちょっと借りた。」
ちょっとだなんて、有り得ないだろう!
コイツが僕のインプレションのバイトの一発目になるなんて!
親父とグッチさんの再会話しもそこそこに、早速軽トラの荷台からガンマWWが降ろされるのを見守った。
黒くピカピカのフルカウル、車体の大きさは見た目400ccのバイクと左程変わらないかも。
「乗ってもいいの?!」
「もちろん。」
『パアァンッ!パパパパパ、、、ガラガラガラガラ、、、』
キック一発でチャンバーからは白いケムリとけたたましい音を出しエンジンは掛かった。
エンジンが掛かり、けたたましい2ストのチャンバーが吐き出す狂騒曲が聞こえれば、居ても立ってもいられない!
シートポジションは低く、ハンドルも低い!足着き(バイクのシートに座った状態で、地面に足が着く状態。)はいい。
「チャンバー換えているから、ゆっくり行けよ。」
僕は親父からの説明もそこそこに、WWを発進させた。
スズキのRG500Γ
コイツはWGP(世界ロードレース選手権)のチャンピオンマシンのレプリカモデルだ。
これは外観やカウルの塗装色に限らず、エンジンもGPマシンと同じスクエア4(四角に4気筒がレイアウトされている)のユニットであり、水冷2ストの4気筒、498cc、最高出力64psを軽量アルミフレームに載せる。
そしてアンダーカウル部には『500』の文字が輝く!
スズキのRG―Γ ガンマ ウォルター・ウルフ
1980年代の2ストロークレプリカブームに誕生した、今や伝説の特別仕様車。
ダークネイビー(濃紺)に赤と金のライン、そして狼のマーク。
この、渋くレーシーなカラーリングは、当時憧れを持った者は多かった。
WW/ウォルター・ウルフは、カナダの大富豪ウォルター・ウルフ氏が率いたレーシングチームの名前(ブランド名)である。
ウォルター・ウルフ氏は、1970年代後半にF1で大成功を収めた後、1980年代半ばに全日本ロードレース選手権でスズキとタッグを組んだ。
ΓーWWはその時のチームカラーである「水原ブルー」と呼ばれる深いネイビーと赤の配色で作り上げられた一台。
当時のレーシングシーンはタバコメーカー(マルボロやロスマンズなど)のスポンサーカラーが多い中、この気品あるカナディアン・ネイビーは異彩を放っていた。
そしてサーキットをフィードバックされた市販車“Γ”『ガンマ』に施された特別仕様。
スズキは1980年代半ば、このワークスカラーをそのまま市販の「RG-Γ」50、250、400、500ccを各シリーズに投入した。
単に色をWW仕様としただけでなく、専用メーター( 文字盤がウォルター・ウルフのイメージカラーである「赤」に変更)、専用の刻印(メインキーやトップブリッジに狼のエンブレム。)、限定ホイール( 初期の250ccモデルなどにはゴールドのホイール。)などが準備された。
そして500ccは、GP500レーサーの構造をそのまま市販化した「スクエア4気筒」エンジンを搭載。シートカウルから4本出しのチャンバーが覗くモンスターマシン。
「うっヒャア〜!」
アクセルを捻ればけたたましい音と共に加速して行く。
オートバイのエンジン構造は2ストローク車4ストローク車の二つに大きく別れる。
そして2ストローク車の命とも言え、排気構造として象徴的なのがそのマフラーとなるエキゾースト・チャンバーだ。
4ストロークバイクでいうマフラー(排気管)となるが、チャンバーは単なる消音や排気の筒ではなく、『エンジンパワーを増大させるための過給器(一種のターボの働き)』である。
その見た目は独特のぷくっと膨らんだ形状だが、そこには2ストロークの出力を極限まで高めるための緻密な流体力学が詰め込まれている。
この膨らみの中には、4ストロークのような「排気バルブ(金属のフタ)」が2ストロークエンジンには無いため、爆発したあとに勢いよく排気ガスが出るとき、次に燃やすための「新しい混合気(ガソリンと空気)」まで一緒にマフラーから外へ抜け出てしまうという致命的な弱点(吹き抜け)を補う為に「排気ガスの圧力(脈動)」を使って逆にパワーに変る。
チャンバーの中身はいくつかのエリアに分かれている。
ディフューザー(広がる部分):エキゾーストパイプから急に太くなることで、排気ガスが急膨張され、この時に強力な「負圧(吸い出す力)」が生まれ、シリンダー内の汚れたガスを引っ張り出すと同時に、新しい混合気を勢いよく吸い上げる。
ストレート(一番太い部分):引き出されたガスの流れを一時的に安定させる。
バッフル(すぼまる部分):ここで行き止まりのようになり、先に出た排気ガスが壁にぶつかって跳ね返る(反射波)。この戻ってきた圧力波が、排気ポートから飛び出しそうになっていた「新しい混合気」をシリンダーの中へグッと押し戻す。
2ストローク車の命とも呼べるチャンバーはエンジンルームから「排気ガスを吸い出し、新しいガスを押し戻してシリンダーに閉じ込める」働きを持ち、まさにバルブのような役割を担ったマフラーである。
『パパァーン!』
2ストローク車のマフラーであるチャンバーは、エンジン室で爆発したエネルギーをマフラー部で貯め込み一気に出すので、凄く甲高く、騒がしく、そしてうるさい!
大きな排気音を立てれば、いや、下手したらこのチャンバーから出される音はアイドリングの音でさえ、寝た子は起きてしまうかも。
そして2ストオイルを燃焼し、マフラーの先からは見た目白ケムリを排出し、独特の臭いがする。
『臭い!』と言われてしまうが、2ストオイルの焼ける臭いなんだよね。コレはコレでいいんだけど。
そしてその白い煙の中には、オイルの燃えカスが混ざり巻き散らす。
後に続いて走るのであれば、要注意。
それとコイツのチャンバーは社外品(メーカーであるスズキ社製ではないパーツ)が付いていて、標準値よりもパワーアップしているのだろう。
エンジンの回転数と排気の波のタイミングがピタッと一致する特定の回転域が生まれれば、それは『パワーバンド』となる。
排気ガスが「押し戻す波」のスピードは、排気ガスの温度やチャンバーの長さによって決まる。
『押し戻す波』がその瞬間、シリンダー内の充填効率(ガソリンの濃度)が爆発的に高まれば、バイクがロケットのように加速する。これが2スト特有の「パワーバンド」の正体である。
逆に、タイミングが合わない低回転域では全くパワーが出ず、スカスカになり易くなってしまう。
2ストマシンの市販車モデルを開発する難しさであったのだろう。
『ガラガラガラガラ、、、パパァーン』
低速で回せばガラガラと独特な音と、アクセルを開ければ甲高い音が響く。響くというより動物避けの花火の様な爆発音!
そして2スト車の特性として、何かに一気に引っ張られる様に加速する。
このガンマ500WW(ウォルターウルフ)は、500ccのパワーが一気に解放されるかの様に加速する!
レーシーであり、一種の狂気を感じてしまう。
社外製チャンバーに換装されている排気音も、人前では出しづらい程の怪音である。
4ストローク車の何かに下や後から『ドンッ!』押し出されるかの様な加速とは明らかに違う。
峠の様な山道のワインディングロードに入れば、セカンドに落とし、アクセルをガバッと開ける!
前輪が浮く!少し油断したっ!
2スト独特の加速!
コイツは500ccエンジンが瞬間的に作り出す力だからそれは殺人的!
登りであってもコーナーの外に持って行かれそうだ!
低くハングオンの体制でコーナーを回り、一番キツイ所では、車体の内にぶら下がる様に外へと向う遠心力を抑え付ける。
次のコーナーが直に迫る。
反対側にバイクを振り回そうとしても、そうは問屋が卸させてくれない!
素早くコンパクトに車体上で身体を右から左へ移動し、同時に左右のステップに踵で体重をそれぞれに掛け、車体のバランスを素早く変える。次のコーナーへ差し掛かる。
凄い旋回能力!
コーナーリングの速度が速い!
左右のコーナーを抜け、次のコーナーに差し掛かる。
車体はなるべく真っ直ぐに、シートの後へ意識して体をずらし、リヤタイヤに荷重を掛けつつブレーキング!
次のコーナーに飛び込めば、再び強烈な遠心力が今度は反対側に引っ張って来る!
だけど車体は軽く感じる。走行中の取り回しは凄くスムーズだ。
ひとつ欲を言えば、ちょっとタイヤが細い。コレはホイールごと交換しないと無理かな。
「おっと、」
少しスピードダウンしないと、借り物だし、まだ全然この車体に慣れても無いのにちょっと興奮し過ぎちゃったよ。
2スト独特のピーキーさを楽しむには、走り込みが足りないよ。
エンジンの回転数と速度を落として、続くコーナーを優しく抜ける。
やっぱある程度のバンドをキープーしないと、出力がピーキーな2ストは、シフトチェンジで回転数と速度が追い付いて来ない場合に出逢う。
2ストの美味しいバンド狭い、難しい〜。
だけど攻めて走る“面白み”は、2ストに軍配が上がるかな?
ココから先は有料道路になるので、その手前でUターンだ。
下りに向きを変え、道路の一次退避スペースでWWから降りた。
アイドリング中の音はガラガラと続いている。
車体の周囲を見回しても、僕が分かる損傷部は無いと思う。
フルカウルを覗き見ても、キャブとエンジンのヘッド回りに錆も無く、まあ、チャンバーのマニホールドの黒い汚れは、排気に混ざるオイルの漏れ。
社外品のチャンバーだし、こればっかりは致し方ないか。
車体から離れて正面、後面とそれそれに真っ直ぐに見るけど、変に車体が歪んでいるとも思えない。
まあ、機構や中身に関して、そこは整備に関しての専門知識を持つ者の足元にも及ばないから、グッチさんの登場だろう。
僕としては言えるのは、凄く程度がいい!乗った感覚から違和感も不具合も何も感じられ無い。
まあ、別のWWに乗った事は無いから比較なんて出来ないけど、素人の僕はそうとしか言えない。
この車体を『何点』とか評価する場合の基準も知識は無いけど、実際に乗って、そこから得た感覚を伝える事は出来るだろう。
その程度でいいのかなぁ。
でも、比較して基準となる僕にとっての100点満点のバイクって何だろう?想像した事が無かった。
僕はどんな車種、どんなバイクが本気で欲しいのだろう?
『何が欲しい?』って聞かれても、具体的には答えられない。
“オートバイ”“バイク”と名の付くモノにどんな車種でも一度は乗ってみたい。
叶うなら、ありとあらゆるオートバイに乗ってみたい。
そんな中で、いつの日にか手に入れて乗ってやる!って言う希望や野望は持つべきだな。
合わせてソレを探す事は、何よりの楽しみになるだろう。そんな予感とも言えない想いが湧いて来た。
僕は安全運転第一で帰路に向かった。
WW、初乗りでコイツの凄さは十分に感じた。
まあ、バイクのスペックや改造内容等の細かい所はオーナーなり、依頼主の書き様だろうけど、フィーリングや感想でいいのは助かる。
だけど作文なんて、いつ以来になる?
戻ったら、親父に相談しよう。いや、瑠璃子を頼っちゃおうかな。
帰り道となる下りのコーナーは慎重に進んだ。
2ストの突っ込みはブレーキングが主になるけど、フットブレーキ側に重心を意識して強めに掛ける。
前ブレーキの“着き”は少し近く感じたし、逆にフットブレーキは遠く感じた。
そこはオーナーの好みのセッティングなのか、各所のヘタリなのかは分からないから、無理をせず、WWが興すコーナーの遠心力を楽しむ様に山道を降りた。
「どうだ?」
今まで親父が借りて来たバイクは、知り合いのバイク屋さんが仕入れた中古車だったり、カスタムとして仕上がって来た車体の試乗が多かった。
付き合いの有るバイク屋さんからの依頼は、アルバイトとは呼べず、趣味の範囲。
今回の話しは、田舎暮らしのオッサンがどこから持って来たのだろう?
特に中古のバイクって、誰か第三者が乗った時のフィーリングから何かを見付けたり、性能的な抜け(劣化等から来る悪さ)を探すには、実際乗ってしまうのが一番だって。
事故車でもある程度修理しちゃうと、フレームの歪みなんかは見付け難いらしい。
レーザー診断機なんかに掛けなくても、実際に走らせれば、車体の持つ“癖”なのか、事故の損傷の影響である“よれ”なのか、分かる人には分かるそうだ。
僕の経験値なんかでは程遠い。
「ふぇ〜え、500の2ストって、やっぱ凄いバイクだ。普通の道では何処まで(アクセルを)開けていいのか分からないよ。」
「その口振りだと、ぶん回して来たのか。」
「いや、そこはソコソコに。だって借り物でしょ、コケでもしたら大目玉を貰っちゃうだろうし。」
250cc以上の2ストローク車だったら、ある程度の慣れる時間が欲しい。
「コーナーが速い!左右の膝の内側が少し痛いぐらい。」
ストレートだったら両膝で、コーナーリングだったら外側の膝をタンクに押し当てニーグリップする。
「今までお前はどんなオーナーに乗り継がれて来たの?」
僕は返事をしないWWに問いかけた。
僕がバイト代を稼ぐためには、乗ったバイクの感想を記事にしなくてはならない。
単にこのバイクの車種を説明する事であったら、メーカーのカタログを読んだり、発売当時の雑誌の記事を探せばいい。
だけど僕に求められているのとは違うだろう。
僕はバイクの、今目の前にあるそれこそ“単車”がどんな物なのかを知らなければならない。
だから僕は暫くコイツに乗り、コイツに語り掛け、それは声の無いインタビューなのかも知れない。
その内容を上手く著すのはインタビュアーの手腕だろうけど、そんな経験は僕には無い。
ちょっと心配になった。
瑠璃子は賢い。やっぱ瑠璃子に相談しちゃおう。
「こっちでの生活はどうだ?」
「うん、なんとか。寮には高校の1コ上の先輩がいて、何かと面倒を見て頂く事もあるんだ。」
「親父は学校の事とか聞かないね。」
「お前が俺に話しちゃったら、母さんと話す事無くなっちゃうだろ。」
「そうかなぁ」
「俺が言いたいのは、そうだなぁ、金と女には気をつけろって事ぐらいだ。」
「そうだ、ドゥカティの押し掛けしたよ。それもMHRの。凄い振動と迫力!」そして重い!
「何でだ?」
あっ、ちょっとマズかったかな?
親父は、僕が他人のバイク(知らない車体)に無断で乗る事を少し嫌がる。
さっきみたいな『試乗』とは別に。
「あっ、いや、別に。」
「どうしてだって聞いているんだ。」
「あー、実は、」
親父には逆らえない。それは瑠璃子に対してと同じかも知れない。
僕は瑠璃子と付き合っている事を親父に話した。
その成り行きで瑠璃子のお父様のドゥカティの件を話した。
「佐原さんって、あのデカい家のお嬢さんか、外人さんの。」
「親父知ってるの?だけどアレックスは外人さんじゃ無いよ。」
「外国人名前じゃねーか。」
親父そこに食い付くのか、少し話しが長くなった。
翌朝は、WWに乗りたい衝動を抑えて愛車であるVTーZで学校へ向かった。
WWは、グッチさんの所で一通り軽くメンテナンス中との事。
パンチ力は比較にならないけど、乗り易さなら断然VTに軍配が上がる。
バイクを何台も所有して、服や靴を着替える様にバイクを乗り換えられたら、、、それは凄い贅沢でもあるけど、現実的ではないし、乗る車体も偏ってしまい、寝かしてしまうヤツは出てしまうだろう。
『バイクは乗ってナンボ』と親父は言うけど、僕だってそう思う。
博物館やコンクール様に保管されているピカピカなバイクと、転倒跡や擦り傷の付いた現役選手だったら、僕は実際に日常として走っているバイクを選ぶだろう。
そりゃあ、乗るのが勿体無いなんていう車体も有るけど、そう言ったバイクは少なく共、今の僕のオートバイライフとは別世界の話し、僕とは別の世界で暮らせばいい。
「母さん、いや、我が息子ながら驚いた。あいつ佐原さんのお嬢さんと付き合ってるって言ってたぞ。」
「あいつの何処がいいのか俺には分からんなぁ。」
「自分の子を貶してどうすんの。」
2ストバイクの命でもあるチャンバーのオマケ
【チャンバーの本体である膨張室】
チャンバーの製作は、鉄板やチタン板を丸めて溶接するが、この長さや太さが1mm変わるだけで、高回転型にも低回転型にも特性が激変する、職人技が光るパーツである。
【サイレンサー】
エキゾースト・チャンバーの一番後ろになる細い筒。
本来は排気の音を消す最後の仕事をこのサイレンサーが担当するが、チャンバー自体はパワーを出すための空間なので、2スト特有の「パーン!パンッ!」という弾けるような乾いたサウンドを響かせる。
ちなみに、前回登場したTZR250に組み込まれた「YPVS」は、このチャンバーの「特定の回転数でしか効かない(=ピーキーすぎる)」という弱点を補うために、排気タイミングをズラして、どの回転数でもチャンバーの効果を美味しく使えるようにした補助装置である。




