表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

碁石オセロ

「碁石でオセロをしよう!」

 八神先輩は両面黒の碁石を持って、そう言った。


「俺が黒で、お前が白。ルールはオセロと全く同じで、最後に自分の色の碁石が多かった方の勝ちだ。


 じゃあ、俺が先行で始めていくぞ。」

 先輩はオセロ盤にオセロの初めの形になるように、碁石を置いた。その後、右上の白の上に、黒の碁石を置き、挟まれた白の碁石をひっくり返した。今の所、黒が三個、白が二個だ。


 僕は先輩が置いた碁石の上に白の碁石を置き、黒の碁石をひっくり返す。今は、黒が三個、白が三個だ。


 このまま、碁石オセロは進んでいった。僕の碁石の数は先輩の碁石の数に追いつくことはなく、僕はずっと劣勢のままだった。


「角取った!」

 さらにあろうことか、先輩に角を取られてしまった。


「二個目の角ゲット!さらに、上と斜めの白を大量ひっくり返し~。」

 先輩はオセロが強いようだ。先輩はクルリクルリとテンポよく白の碁石をひっくり返す。僕は頭を抱えて、次の手を考える。僕はここだと思って白の碁石を置く。


「置いちまったな。後悔するぜ。」

 それから、僕が二手打つと、角を取られる所に白の碁石を置かなくてはならなかった。


「角三つ目、淡島、オセロ弱いなあ。」

 そのまま、先輩のペースにのまれたまま、四つ目の角も取られてしまった。そして、最後の一手となってしまった。その最後の一手を打っても、黒の碁石をひっくり返すことはできなかった。僕は諦めて、白の碁石を残ったマスに置く。


「……先輩、おかしいですよ。


 なんで先輩は、角を四つも取れているんですか?」

「それはお前が弱いからだろ。」


「それに、二個目の角を取った時、斜めの白の碁石をひっくり返せているんですか?」

「だから、それはお前が弱いからだろう。」


「じゃあ、なんで、僕の最後の手で、一つも碁石がひっくり返らないんですか?」

「もう、認めろよ。淡島、お前は負けたんだよ。」


「いや、碁石オセロは、勝敗は生まれないはずです。偶数個のマスに、二人で交互に碁石を置くんです。なら、絶対に引き分けになるはずなんです。さらに、オセロのルールに従って、碁石を置けば、どんな置き方をしても、角は、白と黒が二つずつ取れるはずなんです。


 つまり、この盤面はおかしいです。」


「……おかしいか。ハハハ、そうだな。おかしいな。


 でも、どれだろうな。おかしいのは?


 この盤面か?この碁石か?それとも、お前だったりしてな。ハハハ。


 混乱しているお前に、一つ言葉をあげよう。


 私は間違っているが、世界はもっと間違っている。」


「先輩……、今頃、ナチズムは流行りませんよ。」


「ハハハハハ、そうだな。この国は民主主義だったか。血も脂も火薬の匂いもしないもんなあ。


 まあ、お前の言うことは間違っちゃいない。でもな、結果はお前の思い描いたものではない。そんなことは、よくあるもんだ。


 まあ、深く考えない方がいい。お前は、のほほんと生きていればいいさ。お前にこの世界は難しすぎるんだ。」

 

 そうだ、オセロのように、表裏が黒と白の世界じゃないんだ。碁石のように、表裏なんて分からないのがこの世界なんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ