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これでもフレイヴとカムラはこの世界に来て、初めて出会ったということになっている。そうであるのに、二人の連携はクラッシャーたちを劣勢的状況に追い詰めていたのだ。片方がピンチになれば、もう片方が援護に入る。逆もまた然りであり、どちらかの相手に対して、二人で同時攻撃もあった。まるで、長い時間一緒にいたみたいにして息がぴったり。
この不思議さにカムラは驚きを隠さずして、相手をしているクラッシャーに一撃を食わらせる。だが、その隙を見てフレイヴの相手をしていた彼が真っ黒な刃を仕向けてきた。
「危ないっ、カムラ!」
間一髪のところで防御した。そろそろ、こちらは疲れてくる具合。だが、クラッシャーたちに疲れなど――顔の表情がないからわからない! どっちなのだろうか。できることならば、こちらと同じようにして疲れていて欲しい。なんて二人が思っていると――。
「厄介ですねぇ」
「ええ、実に厄介です」
クラッシャーたちのダメージも大きかったようだ。心身ともに疲れてきていたか。それならば、とカムラは「へぇ」と煽る気満々で見下し始めた。
「よかったねぇ。まさか、ここまで苦戦するとは思わなかったんだぁ?」
「そうですね。あなたがここにいて、我々の話を聞いていた時点で想定外ですよ」
そう一人のクラッシャーがそう言った。特にこの彼はカムラの助太刀がいいものとして見ていないらしい。もう一人のクラッシャーはあごに手を当てて「なるほど」と彼女の武器を見ていた。
「五億九千八十八回までにはなかった状況ですか」
「どうなるのか、五億九千八十八回も見てきた私にもわかりませんよ」
「でしょうね。誰にもわからない未来がそこにある。もしかしたら、私たちが思い描く未来には絶対なり得ないかもしれない」
「それならば、好都合な未来になるようにして強引に事を進めたらば、よいのではないでしょうか」
「まさにその通り。決まっていない未来があるならば、運命のようにして決めればいいだけですね」
「そうしましょう」
「そうしましょう」
何を考えたのか、二人のクラッシャーは互いの胸に真っ黒な剣を突き刺した。その衝撃的な光景にフレイヴたちは目を丸くするばかり。これから何をする気なのだろうか、と。
胸に突き刺さった真っ黒な剣。それはずるずるとクラッシャーたちの体に吸い込まれていく。やがて、柄を握っていた手までも吸い込まれていき――彼らは融合した。二人が一人に。人の姿からけた外れのバケモノの姿へと。
体躯は通常のナズーよりも大きく、皮膚はこれまでに見てきたあのバケモノよりも硬そうで黒い。爪は頑丈にできているはずだ。剣身を当てれば、金属の音はするだろう。人型、というよりも獣に近いと言えばいいのかもしれない。目はギラギラと光っており、口から覗かせる牙は何でも噛み砕けそうなほど鋭い。背には羽が生えており、空中へと逃げられたならば、太刀打ち仕様がないだろう。そこまでにおいて、初めて見る存在。クラッシャーは人の言葉で話す。
「私たちがあなた方の運命を決めてあげますよ」と。




