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いきなりクラッシャー呼ばわりされて、攻撃をされたフレイヴ。自身がクラッシャーであることは否定しなかった。魔王が自分のことをクラッシャーだなんて言っていたのだから。別に肯定したり、否定したりする気もない。どうと呼んだとしてもどうでもよかったのだから。
しかしながら、こちらが丸腰状態で攻撃を受けるのは勘弁していただきたい。これでも、戦闘経験は培ってきた方だと自負するフレイヴは長い髪のカムラの攻撃を避けた。彼女を落ち着かせるにはどうしたらいいのだろうか。
「クラッシャーなら、あたしの敵! これで、あたしは死ねるっ!」
死を望むカムラ。その目の奥は闇が深いように見えた。これまで見てきた彼女とは全く違う真っ黒な目。どこまでも続く底なし沼。
このままやられっぱなしは冗談ではない、とフレイヴは「このっ」と振り回された剣の柄を取った。とにかく、こちらに攻撃が当たらなければいい。そんな思いで手に取ったはいいものの、この先をどうすればいいのかわからなかった。カムラに危害を与えるつもりで接触したのではないのだから。
「名前、返してやれよ」
――きみには偽名かもしれないけれども、カムラっていう名前があるでしょ? ぼくはそれでも構わないんだ。カムラと過ごした日々は、きちんとカムラっていう女の子としていたのだから。
名前を返してあげろ、というフレイヴに対して、髪の長いカムラはというと――。
「冗談じゃないっ!」
名前を返す気は一切ないようである。
「あたしはあんたを殺して死ぬっ! もし、あんたが死ななくても、あたしはこの姿で逃げる!」
「きみは偽物の名前でも、カムラって名前があるじゃないか!」
「はぁ? そして、あんたはこの世界の救世主とも呼べるキイ神だって言いたいの? そうだよねぇ、キイ教が世界を終わらそうってんだからさぁ!」
ここにきて、知らない宗教の神様の名前が増えた。フレイヴのその言い方にフレイヴは否定した。自分はそんな大層な存在ではない。神様なんかじゃない。ぼくはぼくだ、と。
「世界を終わらせるって、この世の悲しみの連鎖を断ち切るためじゃないの?」
「だったら! そんなにあたしという存在を消したいかっ! そんなにこの世界を終わらせたいとでも言うのかっ! ンなこと、勝手な真似させてたまるかっての!」
力は圧倒的にカムラの方が大きかったようだ。その手を退かせ、と言わんばかりに突き飛ばされて、剣を手放してしまった。よろめくフレイヴに隙あり。
「あたしが全部許さないんだから!」
二度目の正直でフレイヴはカムラに斬られてしまうのだった。




