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現れる敵はすべてカムラの射撃砲で死ねばいい。それが当然だった。だって、邪魔だから。だって、こちらが殺さないと殺されるから。そうしないと、カムラに逢えなくなるから。彼女に逢いたいという気持ちはフレイヴの心の中で膨れ上がっていく。どうして、こんなに必死になれるのだろう、って。出会って半年も経たないのに。自分たちの出会いが運命だとしても――信じたい。カムラは嘘つきじゃないって。嘘つきなのは魔王だけだって。
敵を撃っては殺して、撃っては殺してを繰り返して――もう何度目か。覚えていない。それほどまでの遠い時間が経った頃、階段を上りきった。ここが最上階なのか。それにしてはあまり階段を上っていない気がする。
階段の突き当りにある両開き扉を開けた。そこには何もないただ広いだけの場所。真っ白な部屋。奥や左右に扉は見当たらない。まさか、この建物自体はずれだったとでも? これ以上の捜索は時間の無駄だ。フレイヴは顔を歪めつつ、入ってきた扉から退却しようとするが――。
ふっ、と消えるのは明かりか。だが、ちょっと待って欲しい。いくら真っ暗になったからと言っても――この部屋に明かりなんて存在していただろうか。周り一面が白い部屋だったはずだ。壁も床も天井も。見間違うはずはない。ここまで無機質な場所は初めて見たのだから。今のフレイヴにとって、白かったはずの壁や床、天井は真っ黒。扉は一切見えない。
「明かり……」
そうだ、カムラの剣があった。これさえあれば、周りを照らしてくれるはずだから。という以前に、それを手にしているのだが――その光を以ってしても辺りは暗いまま。どこまでも暗い。これぞ闇だと言えるぐらい。剣の光を頼りに出口を――。
なんてフレイヴが行動をしようとしたときだった。足元に何かが当たる。その瞬間、真っ暗闇だったこの広い部屋に明かりがついた。周りが見えた刹那、彼は吐き気を覚えた。なぜならば、先ほどの真っ白い部屋ではなく、ここは――遺体安置所? 壁一面には穴が空けられて、白骨化した遺体が服を着用したまま安置されているではないか。何も白骨体は壁だけあらず。床にはいくつもの石棺が並べられ、その中にはもちろん白骨体がある。何という気味の悪さ。明かりはろうそくのみ。不気味だ。
早く出たい。その思いに駆られ、両開き扉を見つけて開けた。その先はここまで登ってきたはずの階段ではなく、真っ黒な場所。ろうそくの火が、カムラの剣の光が奥を少しだけ照らす。
誰かがいた。暗くてよく見えない。真っ黒な人間。床に何かをしている? いや、床じゃない! 建物の中にいたはずだというのに。いつの間にか外にいた。それも夜。昼間だったはずなのに。ここは?




