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相手は話し合いで済むような連中ではなかった。なぜって、初対面の人間に対して殺意を向けるような輩に言葉が通じるとでも思うか? そうは思えないのが現実。事実そうだった。武装集団はフレイヴたちにとって知らない言葉でやいのやいのと騒いでいるのだから。初めて聞く言葉。彼らが何をどう言っているのかは粗方予想がつく。
『目の前にいるやつを殺せ』
言葉の壁があっても、雰囲気でわかる気がした。こちらに耳を貸さず、唐突に引き金を引きまくる。弾丸の嵐が二人を襲った。避けるばかりが戦いではない、とフレイヴたちは学習した。この便利な武器であるカムラの剣さえあれば――ほら。
フレイヴがカムラの剣を乾いた地面に突き刺した。そして、想像を掻き立てるのだ。射撃砲の攻撃をすべて防御する盾となれ、と。剣だったそれは成った。それが当たり前であると考えられるように。無論、奇妙な武器を手にした敵に武装集団は驚愕する。何かを言い合っているようだが、言葉がわからない。
「これで……!」
どうせ、この世にカムラの剣のような武器は存在しないだろう。自分だけが持つ、特別な代物。特別な友達。フレイヴもオルチェもそう思っていた。だが、目を丸くしていたのは武装集団だけではない。二人にも、とある光景が目に入って驚いた。
武装集団の内、三人の男女が手に持っていた黒い射撃砲の形を変えたのだ。それぞれ、近接戦を優先としたハンマーに槍、双剣――いや、三人だけではなかった。
「ぐっ!?」
見えなかった。死角からの攻撃。フレイヴの斜め後ろにはクルレラと同年代の少年が形相の睨みを利かせて剣を――それをオルチェが射撃砲の銃身で受け止めた。とにかく、この武装集団の彼らは相当な手練れのようだ。舐めてかかると、痛い目に合う。誰かがそう言いそうなぐらい切羽詰まった状況に陥っていた。
飛び道具、近接専用武器。どちらを取るにしても、どちらかの防御は無視しなければならない。ハンマーを持った筋肉隆々の男が盾となったカムラの剣を破壊せんばかりに押しつけてきた。重い、の一言に尽きる。こんな普通の少年の細腕でどうにか防ぐにしても時間の問題である。男は力を入れてきている。そこへ、サイドから槍を持った女と双剣を手にした男が刃を仕向けてきた。
防ぐ、避ける、防ぐ、避ける。それらの単語が交互に頭の中をぐるぐると回る。ああ、鬱陶しい。どちらもできないってわかっているんだから、黙っていてよ。うるさいから、何も考えないでよ。考えようとしないで。ただの脳みそのくせにして!
何も考えたくないのか。フレイヴは盾を先ほどの大口ナズーで戦ったときのようにして、カムラの剣を樹木のようにして攻撃を加えた。三人の男女に鋭い剣先が突き刺さる。それと同時に、力の差に歴然があった模様。オルチェが奇襲を仕掛けてきた少年を足で蹴っ飛ばすのだった。
言葉が通じない者たち。この武装集団は一体何者なのか。




