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あることを思いついたフレイヴ。とある作戦を思いつくオルチェ。二人は自分たちが会話できるような陰へと退避した。大口ナズーは両腕を振り回すだけで、彼らの姿を見失ってしまったようである。これがチャンス。自身の考えを相手に伝えることができるのだから。
「オルチェさん」
「フレイヴ」
口のバケモノから死角に入る木の陰で顔を見合わせる二人。どうやら双方ともに何かしらの作戦を企てていたようである。オルチェが何かしらの作戦があると見込んだフレイヴは「どうしたらいいですか」と訊いた。これにオルチェは困惑した顔を見せる。自分は下僕である。自身の作戦よりも、彼が考えた作戦を優先したかった。だが、フレイヴは「オルチェさんが考えた作戦が最良だと思います」と思いついたことを言おうとしなかった。信頼からくるものなのだろう。仕方なしに「まず」とカムラの剣を指差した。
「フレイヴ、この剣であいつの動きを止めるんだ。できるはずだろ? カムラに至っては動物にも変身できたんだ。あれの動きを止める何かに変えることぐらいは……」
「やってみます」
即答にオルチェは思わず瞠目した。いつものフレイヴであるならば、できるんですか、と不安げに訊いてくると思ったのに。まさかとは思いたい。彼の作戦も自分と同じものなのでは?
「その後、オルチェさんは射撃砲の燃料か何かを利用するんでしょう?」
なぜだか自身の頭の中を覗かれているような気がした。どうも二人の考えていた作戦は合致しているらしい。
オルチェは「ああ」と頷く。
「動けない隙を見て、俺がやつの口の中に燃料と火種を入れる」
懐からは大量の射撃砲の燃料を。腰にあるバックパックからは火種を取り出した。初めて見る燃料というもの。それは固形のようだった。オルチェ曰く、島自治区の海底にある砂を固めて上から樹液をコーティングするのだそうだ。燃料一つの大きさは人の爪よりも小さい物。これだけで、人をあの世に送り込める威力があるのだから素直にすごいと思う。
そうフレイヴに細かい説明をしていたときだった。思わず耳を塞ぎたくなるような破壊音がすぐそばで聞こえてきた。それもそうだった。大口ナズーは二人が隠れていた木をへし折っていたのだから。彼らを見つけたバケモノは嬉しそうに奇声を上げる。それはまるでおもちゃを見つけた子どものように。だとしても、ここで怯むわけにはいかない。正攻法でこいつに勝てると思ったら大間違いなのだから。
「作戦、行くぞ!」
「はいっ!」
その場に響き渡る叫びにあやかるようにして、二人は動き出すのだった。




