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下へと真っ逆さまに落ちる感覚があった。だが、実際にはそこまでなかった。落ちると思って、目を閉じたら足が地に着く感じがした。目を開けた。そこは先ほどまでいた血生臭い場所じゃなかった。雪山だった。独りその場に取り残され、とても寒かった。
「どこだろう?」
こんなに積雪量がある場所を見るのは初めてだった。フレイヴにとって、この場所はおかしな世界と見なしているようだ。なぜならば、彼が入った場所は地下だから。こうして空を見上げられるような場所へと落ちたとは思えない。何より、雪山で普通にしんしんと雪が降っているのだ。寒かった。手がかじかんで、カムラの剣を上手く握れるか心配である。
ここも一応は日の光が当たらない場所。もしかしたら、魔王とカムラはいるかもしれない。それに直、オルチェも追いかけてくるだろう。そう信じるしかないフレイヴはとりあえず、山頂の方へと目指すのだった。
足を取られるといけないから。急ぎたい気持ちがあるにしても、自身の安全も確保しなければカムラを助けられないだろう。フレイヴはゆっくりとした足取りで前へと進んでいると――前方に白い世界では目立つ青色の服を着た者たちが数名が見えた。青色――それで思い出すのは新王国の軍人が来ている軍服。であるが、逃げている場合ではない。もしかしすると、彼らは道に迷って、ここに来ているのかもしれないから。何か話が聞けるかもしれない。そう思って、フレイヴが「すみません」と声をかけるのだが――。
ある程度まで近付いたとき、射撃砲だろうか。それを仕向けられた。オルチェが持っていた物よりスマートに見える。
誰もがこちらを睨むようにして見ていた。軍人たちは自分と同年代に見える。ということは、軍に入ってまだ間もないということ。それなのに、独立の国との戦争をするせいで前線に立たされているということがわかった。フレイヴは「待ってください」と焦りを見せる。流石にこの人数で敵う相手とは思わないからだ。
しかしながら、彼らの中で一番背が高い少年が「黙れ」と憎悪ある声音で言ってくるのだった。
「この世界に仇なすバケモノめ」と。




