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初クエストに出発!



メドルテさんの説明を聞いている間に、熱気と臭気で溢れていた依頼掲示板の前は幾分空いていた。

各々自分の出来る依頼を見繕って出掛けて行ったんだろう。


朝早めに依頼を受けて、ちゃちゃっと依頼を終わらせて、余裕を持って帰って来られるようにしているんだろう。

後は準備の時間を長めに取ってるとか。

危険と隣り合わせな冒険者家業だからな、しっかり準備して行かなきゃ危ないんだろうね。


よし、俺も出来そうな依頼を探してお金を稼がねば。

田舎に庭付き一戸建て的な物を買って、のんびりゆっくり暮らすのだ。


頑張るぜ。俺はやるぜ。俺は暑いぜ。俺はカマキリ。



依頼掲示板は、受け付けカウンターに近いほうから、白金、霊銀、金、銀、銅と並んでいる。

銅の掲示板の隣にはパーティー、クランのメンバー募集掲示板があるみたいだが、これはとりあえず放置だ。

依頼掲示板自体にはあんまり差はないが、貼ってある受注用紙の量にはかなりの差があるぞ。


銅の依頼掲示板には凄い数の受注用紙が貼ってあるけど、それに対して白金の依頼掲示板には数枚の受注用紙しか貼っていなかった。

やっぱり白金ランクの冒険者も依頼自体も少ないんだろうな。


ちなみにどんな依頼が貼ってあるのかな?

ちょっと覗いてみよう。



依頼内容・世界樹の枝の採取

依頼人・非公開

推奨受注階級・白金5級から

依頼対象・世界樹の枝×1 世界樹の葉・数を問わず

報酬・世界樹の枝×1=白金貨5枚 世界樹の葉×1=金貨10枚

期限・無期限

備考・葉がついてなくても可



おう。何か、いきなり凄いな。

世界樹って普通に書いてあるけど。

この世界には世界樹ってポピュラーな物なのかしら?

いやそんなはずはないよな。受注可能ランクが白金だし、報酬がぶっ飛んでるしな。

葉っぱ1枚1000万円だぞ。あれか、人を生き返らせる力とかあるのか。

なら欲しい人にとっては1000万円も安いもんだな。


でも白金ランクの依頼ってことは、きっと魔物の巣窟の更に先の先の先辺りにあるんだな。知らないけど。


他のは…、火龍の肝の採取に、地龍の討伐、無限回廊の調査か。

全部の依頼が無期限で、報酬がぶっ飛んでて、依頼人が非公開だ。

凄く、高難易度の匂いがぷんぷんします。銅ランク5級がどうこう出来るレベルじゃないよね。

わかってた。わかってたわ~。

でも何かこういうのは見るだけでも楽しいよね。


でも…火龍の肝とか何に使うんだろ…。


よし、気を取り直して銅ランクの依頼掲示板に注目や。

俺に出来そうな仕事は~…と。



依頼内容・マインエラ北区排水溝掃除

依頼人・ マインエラ清掃部

推奨受注階級・銅5級から

依頼対象・排水溝掃除

報酬・銅貨25枚

期限・1日

備考・朝の鐘前に受注し、北区清掃部事務所に来ること



依頼内容・鉱山内の雑用

依頼人・ マインエラ東区・鉱山管理部

推奨受注階級・階級問わず

依頼対象・鉱山内の雑用・荷運び

報酬・銅貨30枚

期限・本人のヤル気次第で無期限

備考・人種経歴問わず。24時間働ければ尚良し



依頼内容・マインエラ市街の清掃

依頼人・ マインエラ清掃部

推奨受注階級・銅5級から

依頼対象・マインエラ市街の清掃

報酬・銅貨25枚

期限・1日

備考・朝の鐘前に受注し、中央区清掃部事務所に来ること



依頼内容・害虫・害獣駆除

依頼人・ マインエラ市場

推奨受注階級・銅5級から

依頼対象・害虫・害獣駆除

報酬・銅貨25枚から

期限・無期限

備考・朝~夕方は市場が開いているので、夜間の作業になる



おう。正に初級の初級って仕事ってだな。

排水溝掃除に雑用。市街清掃に害虫駆除。他にもあるけどほとんど似たようなのばっかりだ。

北区が南区だったり西区だったり。


メドルテさんも言ってたもんな、何でも屋と揶揄されることもあるって。

正に何でも屋。正に何でもやる課だな。

でも鉱山の雑用のブラックさが半端ない。

銅貨30枚で24時間労働て。普通24時間働けませんよ。無理無茶無謀やで。


ん~…、しかしこの辺の依頼だと赤字だな。

岩壁の止まり木亭の宿代は1日小銀貨1枚、それに食事やら何やら、つまりは銅貨50枚以上はかかるんだから、それ以上稼がにゃならんのだ。

もう少し稼ぎが良い依頼を探そう。

俺が受けられるのは、銅1級までだったな。えーと…。



依頼内容・薬草の採取・常設依頼

依頼人・錬金術ギルド

推奨受注階級・銅3級

依頼対象・薬草1束から何束でも

報酬・薬草1束=銅貨5枚

期限・無期限

備考・薬草は常に必要とされています。錬金術ギルドでは常に買い取りしています。『注意・この依頼は受注の必要はありません。受注用紙は剥がさずに、依頼の品だけをカウンターにお持ちください』



依頼内容・小鬼の討伐・常設依頼

依頼人・マインエラ守備隊

推奨受注階級・銅3級

依頼対象・北の森、南の森に発生する小鬼の討伐証明部位

報酬・小鬼の討伐証明部位×1=銅貨10枚

期限・無期限

備考・小鬼の討伐証明部位は左耳。右耳では不可。『注意・この依頼は受注の必要はありません。受注用紙は剥がさずに、依頼の品だけをカウンターにお持ちください』



依頼内容・角ハーゼの討伐・常設依頼

依頼人・ マインエラ守備隊

推奨受注階級・銅3級

依頼対象・角ハーゼの討伐証明部位

報酬・角ハーゼの討伐証明部位×1=銅貨10枚

期限・無期限

備考・角ハーゼの討伐証明部位は角

。『注意・この依頼は受注の必要はありません。受注用紙は剥がさずに、依頼の品だけをカウンターにお持ちください』



この辺とか良さそうじゃない?小鬼とか角ハーゼって何かわからんが。

翻訳魔法さん、息してらっしゃる?ちゃんと翻訳してほしいが…。機能してこれなのか。

なら、これは自分で調べないとダメなやつだな。


あれだ、ぺルビと一緒だ。きっと。

翻訳しても元の世界にはない単語だから、翻訳しきれない的な形だろう。

よくわからないけどね!多分だけどね!

ドラゴンはドラゴンなんだけどな。何でだろう。


常設依頼って言うのはあれだな、常に設置されてる依頼って意味だな。うん。そのままだけど。


この3つは常にあるのか。薬草はわかりやすいね。常に必要とされてるんだもんな。そりゃ常設されますわ。

小鬼と角ハーゼはきっと狩っても狩っても出てくるとか、繁殖力が強すぎるとかではなかろうか。

増えすぎないように管理の意味をこめて、常設依頼として出されてるんだ。きっと。


まぁ、銅5級の依頼も常設依頼みたいな物だろうけどね。

清掃の依頼だけでかなりの量だもんな。

銅ランクの掲示板の依頼の7割は雑用で出来ています。


よっし、とりあえず薬草を集めつつ、他の2つは出来そうならチャレンジしてみよう。

安全面を考慮しつつ、地道に無難に行こうと思います。

命は1つ、割れたら2つ。んなアホな。


さて、とりあえず薬草だな!薬草…、薬草、どこにはえてるんや。

小鬼と角ハーゼもよくわからん。

誰かに聞こう。誰に?これはもう決まってるも同然だな。




「すみません、メドルテさん。ちょっと聞きたいことが…」


冒険者管理カウンターのナイスミドル、メドルテさんに声をかける。

あまり新規登録とかはいないのかな。ちょっと暇そうだね。


「はい、何なりと。いかがいたしましたか?」


「銅3級の常設依頼を受けようと思うんですけど、薬草の種類とかはどんなのですかね?後、薬草はどの辺に生えてるんでしょうか?」


「銅3級の常設依頼、薬草の採取でございますね。錬金術ギルドからの銅3級の依頼の薬草になりますと、セリチ草、クラウト草、ピアンタ草が対象となっております。薬草の繁殖地域は北の森全域、南の森全域となっております」


ふむふむ、セリチ草、クラウト草、ピアンタ草ね。心に刻め。忘れるな俺。

いや、名前は覚えても形がわからん。形がわからなかったら名前覚えてもあかんやん。

にっちもさっちもどうにもブルドックだわ。


「依頼の薬草の見本がこちらになります」


メドルテさんがそう言いながらカウンターの下から分厚い薬草図鑑的な物を取り出して見せてくれる。

うお、メドルテさんマジ有能。どんだけ気が利くんだ。

凄すぎるでメドルテさん。


「セリチ草は錬金術の基本中の基本、回復薬の材料になります。葉は緑色、その葉は丸く、群生するので見つけるのも採取するのも簡単でしょう。セリチ草は葉の部分が薬の材料となります。根を残して葉の部分だけ刈り取るようにしてください」


メドルテさんが綺麗な絵が書かれた植物図鑑の中の1つを指差しながら説明してくれる。わかりやすいね。

ふむふむ、葉が丸いのがセリチ草か。見た目小松菜だな。小松菜は葉っぱを刈り取る。よし、覚えた。


「クラウト草は解熱薬として街の診療所で重用されています。こちらも錬金術の基本的な薬品として回復薬の次に需要がございます。緑色の葉が尖っているのが特徴で、あまり日の当たらない場所に生えています。こちらも葉の部分が薬の材料となります。根を残して葉の部分だけ刈り取るようにしてください」


ふむふむ、葉が尖っているのがクラウト草ね。見た目はほうれん草だ。

日陰に生えるほうれん草も葉っぱを刈り取る、な。よし、覚えた。


「ピアンタ草は強壮薬の材料になります。これはマインエラの鉱山夫達が好んで飲む疲労回復の薬ですね。ピアンタ草の特徴は剣のような葉と膨らんだ根です。ピアンタ草は根を主な材料として使用しますので、根ごと掘り起こしてお持ちください。こちらは日当たりの良い場所を好む傾向がございます」


ピアンタ草は、草というか、ニンニク?膨らんだ根がさ、完全にニンニクだわ。

植物図鑑に書かれている絵も完全にニンニクだな。疲労回復に効果があるとかもそのままだよね。

日当たりの良い場所のニンニクね。オッケー、覚えた。


「以上の3種類の薬草が、銅3級の薬草採取の依頼対象になります。ただし、薬草は周囲の魔力を微量ながら吸収しつつ成長するため、十分に成長するまでに時間がかかります。そして根こそぎ採取してしまうと薬草採取自体が不可能になってしまいますので、採り尽くすことの無いようにお願いいたします」


「なるほど、そうですね。よくわかりました。ありがとうございます」


そうだ、ついでに小鬼と角ハーゼについても聞いておくか。どんなやつかもわからずに狩りには行けないからな。


「後、小鬼と角ハーゼって魔物のことも教えてもらいたいんですけど」


「小鬼と角ハーゼでございますね。こちらも銅3級の常設依頼の対象ですね。それならばこちらの魔物となっております」


再びカウンターの下から別の分厚い図鑑が出てきた。今度は魔物図鑑みたいだ。

メドルテさんマジ有能。


「小鬼は別名ゴブリンとも呼ばれておりまして、小柄な体で1体1体は非力ですが簡単な道具を使う知能があり、群れを作ることで驚異となり得ます。森で活動する冒険者に被害が出たり、商人の荷馬車を襲うこともあり、常設依頼が出され常に討伐されています。討伐証明部位は左耳となっております。右耳では討伐証明とはなりませんので、重々お気をつけください」


おい、ゴブリン来たぞゴブリン。

図鑑の挿し絵を見たら、ダンジョンで初エンカウントしたあいつだ。

ゴブリン(仮)がゴブリンに進化したぞ!やったね!

討伐証明部位は左耳っすか。

えーと、ちぎって持ってこいって?あぁ、ナイフで切り取れば良いのか。

耳取ってこいとか戦国時代か!


「角ハーゼは、頭部に鋭い角を持ったハーゼとしか言えませんが、数が増えると薬草や貴重な草花を根こそぎ食い荒らしてしまいますので、適度な駆除が求められています。討伐証明部位は角となっております。頭部を固定し、剣等で角の根元を叩けば折れるはずです」


角を持ったハーゼって、そのハーゼの部分が知りたいんだけど、と魔物図鑑を覗きこむ。

角ハーゼと名前のついた挿し絵は、ダンジョンの中でオプションさんに一撃で光にされてた角ウサギだった。


あぁ、あれね。角ウサギね。ダンジョンの中でしこたまオプションさんが吹っ飛ばしてたわ。オッケー。ハーゼはウサギということね。よし、覚えた。


「角ハーゼの肉は肉屋で買い取ってもらえるはずなので、少額ではありますが依頼の報酬とは別の収入源になるでしょう」


何?それはまた助かるな。角ウサギ覚えておかなくちゃ。

ダンジョンみたいに襲ってこない限りは狩れるかどうかはわからないけど。


「ありがとうございました。何とかなりそうです」


「お役にたてたなら何よりでございます」


「じゃあちょっと行ってみますね!」


「十分に気を付けて、いってらっしゃいませ」


優雅に一礼するメドルテさんに見送られ、朝方と比べればずいぶんと人が少なくなった冒険者キルドを出る。


何はともあれとりあえず行ってみよう。何か足りない物があったら明日なり明後日なり準備すれば良いよね。

あ、でも薬草を入れる鞄とかいるかな?

ん~、南門を出るまでに鞄売ってるのを見かけたら買う感じで行こう。


そんなに大きくなくて良いな。

薬草がどれくらい採れるかわからんし。

大きな鞄買ってほんのちょっとしか採れなかったりしたら悲しいからね。


…………。ゴブリンの耳を入れる袋も探してみよう。

鮮血滴る耳とか、そのままをポッケには入れられんよな……。


ポッケに切り取った耳が詰まってるのを想像して、ぶるりと震えるぜ俺。

無いわ。無理だわ。袋必要だわ。


よし、そんなこんなを探しつつ、行きましょう初のクエスト!


死なない程度に頑張るぞ!

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