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第二話 ヤバいヤツがやってきた! ①
防衛本能、とでもいうべきものだろうか。
その存在すら知らなかった文芸部に、あの有名な梓川姉弟が在籍している、と知って、美月は身構える。うまく言えないが、深入りするとなんか面倒なことになりそう、というイヤな予感が働いたのだ。
だから、昼休みと放課後に梨音が誘ってきたときは、やんわりと断った。せっかくの誘いであっても、そうやすやすと「いいですよ!」なんて返事できない。理由も根拠もないが、美月が誘われたのは、たまたま通学路でバッタリと会ったからではなく、なにか思惑があってのことだろう、という気がしたのだ。
その美月の、動物的なカンはあたっていた。
「じゃあ、わたし、今日は家の用事をしなきゃならないから。ごめんね!」
美月は梨音にバイバイと手を振って、そそくさとリュックサックに教科書とノートを詰める。その様子を、梨音が残念そうな面持ちで見守った。
「あの……無理にとは言わないから、ちゃんと考えてね、文芸部のこと」
「うん、わかったから!」
それじゃあね、と声をかけて、美月は教室から退散する。
その背中を、梨音の粘着質な視線が追いかけてきた。




