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わたしたち、裏魔法少女部!  作者: 凍月
第一話 魔法少女なんでしょ?
7/8

第一話 魔法少女なんでしょ? ⑥

 これまでちゃんと話したことはなかったが、梨音は感じのいい子だった。少し天然なところがあるが、それはご愛敬《あいきょう》。学校へ着くまでの短い時間だったが、思いのほか会話が弾んだ。話題はふたりに共通するもの──学校に関することだった。先生、学校行事、もうすぐ始まるテストなどなど。

 自転車に乗りながらだったから、そんなにたくさんしゃべれたわけではないが、あとでLINEを交換しようよ、という程度には仲良くなれた。

 自転車置き場に自転車を押しこみながら、梨音が、

「加藤さんはなんか部活入ってんの?」

「わたし?」

「中学のとき、美術部じゃなかったけ?」

「中学はそうだったけど……高校の美術部には入ってないんだ」

「じゃあ、いまは帰宅部?」

「まあね。家のこともあるし」

「じゃあさ、文芸部に入らない?」

「え?」

 昇降口に向かおうとして、美月は目をパチクリさせる。梨音はマジメな顔をしている。

「……いま文芸部って言った?」

「そ、文芸部。あたし、文芸部員」

(そうは見えないけど……あれかな、実家が神社だから、意外と本が好きなのかな)

「うちの学校にあったんだ、文芸部」

 梨音はアハハと声をあげて笑う。

「部員が少ないからねー。あたしを入れて三人だもん」

「それ、部活の最低人数に達してないよね?」

「だから、こうして勧誘してるんじゃん」

(……よりによって文芸部かあ。お母さんに知られたら笑われそう)

 母親が文筆業だと知ったら、梨音はどんな反応をするのだろう。それを試してみたい気持ちもあったが、ここはいったん保留。

「……ちょっと考えてみるよ」

「うん。期待してるからね。加藤さんならきっと入ってくれるよ」

 梨音は鷹揚《おうよう》にうなずく。美月が入部すると信じて疑っていないような口振りだ。

 美月、微妙。

 しかしながら、このときの梨音の予言は、見事に的中することとなったのである。

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