↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたしたち、裏魔法少女部!  作者: 凍月
第一話 魔法少女なんでしょ?
6/8

第一話 魔法少女なんでしょ? ⑤

「あれ、石野さん?」

 少女は、美月と同じクラスの石野梨音(りおん)だった。クラス替えで初めて同じクラスになったから、会話したことはほとんどない。丸顔の、つぶらな瞳がかわいい美少女で、ショートボブの髪型がよく似合っている。

 梨音が呼びかけてきたからか、心のなかの声は沈黙をたもっていた。もう話しかけてこない。

 梨音が美月の顔をジッと見つめる。もしかして、わたしの顔になにかついているんだろうか、と思っていたら、梨音がかわいらしく小首をかしげた。

「市長さんってなに?」

「はい?」

「加藤さんが言ったんじゃない。こんな往来の真ん中でさ。市長さんがどうのこうのって」

「あう……」

 美月、いきなりのピンチ。こんなとき、作家の冴子だったら、いとも簡単に言い逃れのセリフを口にするんだろうな、と益体《やくたい》もないことを思う。

「その……来月の市長選挙、誰に投票しようかなって……」

「投票って、あたしたち、高校二年だからまだ選挙権ないよ?」

「…………」

 かえって墓穴を掘っただけだった。泣きそうになる。無理やり、話題の転換を試みた。

「あ、そうそう。今度、剣神社に行ってみようかなー、とか思ったりして……」

「あたしの家に?」

「え?」

「剣神社って、あたしの家だから。あたし、剣神社の宮司の娘」

 ついぞ知らなかった。彼女がそんな家柄の出身だったとは。

「よかったらいつでもお参りにきて。安産祈願で有名だからさ、うちの神社」

(……って、わたしが安産祈願をしたいように見えんの?)

 なんという天然な女の子だろう。美月もひとのことを言えないが。

「それよりも、こんなところにいたら遅刻するよ」

 と、腕時計を確かめながら、梨音。

「そうだね。うん、遅刻はマズいわー」

「じゃあ、こっちの道ね」

「……な?」

 ありえない。

 梨音が指さしたのは、十字路の右の道。美月がいつも自転車で往復している道とは違う道だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。