28.生者の音は光に似てい
初めから、少しだけ違和感はあった。
気づくか気づかないか……分からないくらいの、小さな違和感。でもそれは、気にしなければいいのに、一度気になりだすと放っておけない違和感だった。
その子は初めから静かな子だった。
教室に初めて足を踏み入れた時、大勢に紛れて分からないくらい、影が薄い存在だった。
自己主張が薄く、自ら前には出ない。そんな子だった。
関わるようになったのは、本当に偶然。ただ、同じものを共有できたから。それ以外にも、別の感情はあるけど、それは一旦置いておく。
関われば関わるほど、その違和感は強くなっていった。
でも、気づかないようにした。
気づかないでいたかった。
だって、気づいてしまえば、この関係が終わってしまう気がしたから。
自分が無意識に考えないようにしていたと気づくのは、もう少しあとのこと。
静かなのだ……
クラスメイトの話し声。
物音。
死者たちの音。
そんな騒がしい世界の中で、彼だけが、まるで隔離されているかのように静かだった。
彼だけ、音を消されているようだった。
触れることも、話すこともできるのに、まるでそこにいないかのような存在。
クラスメイトの一員。なのに、誰も彼を見ようとはしなかった。
初めは、盲目だから皆遠慮しているのかな? とか思ったけど、そうじゃないと気づいたのは、いつからだっただろう?
私と彼が話していても、気にせず話しかけてくるクラスメイトたち。
私と彼が歩いていても、声をかけられるのは私だけ。
まだ気づきたくない。
まだ知らないままでいたい。
彼と……響くんとの関係を終わらせたくない。
心の奥底で、私じゃない私が叫んでいた。
だが、それを見ないように、聞かないようにして過ごしていた。
だけど、もう限界なのかもしれない。
私は私として、響くんに何ができるのだろうか?




