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第十話 2/4 「新たな力」

 ギルドに戻るわけにも行かず、たまには行ったことのない遠くの食事処と行こうと提案し、とくに反論もないので歩き出そうとするとセラがトクナの袖を引いた。


「さっきの、家族の方たち」


「ああ」


「私、声をかけてきます」


 トクナは少し驚いた。セラはもう目が赤くなかった。ただ、少し唇をきつく結んでいた。


「戻らなかった人たちに、最後に何をしたかくらいは、伝えられる気がするので」


 トクナは何も言わず、頷いた。


 セラはゆっくりと人だかりの方へ歩いていった。リナがその後ろ姿を見ながら、


「あの子、強いな」


 と呟いた。


「そうだな」


 しばらくして、人だかりの端から、しゃくり上げる声が聞こえた。セラの声ではなかった。





「もっと強くなりたいです」


 ギルドを出て三人で歩き始めたとき、セラがぽつりと言った。


「回復魔法だけじゃ、みなさんの足を引っ張っていたんじゃないかって」


「セラの回復があったから、ガイも動けたんだぞ」


 リナが言うと、セラは少し黙ってから、


「それでも、まだできることはあると思うんです」


 と返した。


 三人は食事を終え、宿に戻るとさっそく手持ちの杖を調べ始めた。


「確か前に攻撃魔法用の杖を持ってたよな?」


「これでしょうか」


 一緒にガチャを回していた時のものだ。



【★2 攻撃杖「古びた攻撃杖」】

【魔法攻撃力:22 回復力:0】

【スキル:なし】



 名前を確認し、アイテム袋に同じ杖が入っていないか確認し、どんどん凸を進めていく。



【★2 攻撃杖「古びた攻撃杖+16」】

【魔法攻撃力:38 回復力:0】

【スキル1:魔法攻撃力の10%の威力で追撃】

【スキル2:なし(解放まであと9)】



 古びた攻撃杖はここまで。


「こっちはどうでしょう」


 セラが取り出したのは、細長い木の杖だった。先端に赤みを帯びた石がはめ込まれていて、どこかで熱を持っているような気がした。


「★1や2でも杖ごとにスキルが変わるのか?」


 最初は興味なさそうだったリナも覗き込んでくる。



【★1 攻撃杖「ほむらの枝杖+11」】

【魔法攻撃力:36】

【スキル1:炎魔法のダメージが5%アップ】

【スキル2:なし(解放まであと14)】



「全然足りない」


 この後も凸を繰り返したが、思ったより同じ武器は複数なく、久しぶりにガチャを回してみようということになった。





 翌日、冒険者ギルドでガチャを回し、武器の凸を進めた。


「あと一本」


 しばらく回していなかったので魔法石は結構あったが、杖だけでなく短剣や両手剣なども一緒に出てくるため、思うように狙った武器が出ないまま魔法石は残り少なくなる。


「両手剣、両手剣、ブーメラン……出た!」


 思わず声が出るトクナ。さっそく合成する。



【★2 攻撃杖「古びた攻撃杖+25」】

【魔法攻撃力:47 回復力:0】

【スキル1:魔法攻撃力の10%の威力で追撃】

【スキル2:攻撃魔法の詠唱時間が短くなる】



「あまり強くないかも」


 トクナはセラに渡す。セラも少し悩むような表情を返した。


「武器屋はどうだ?」


 リナが提案する。


「武器屋なんてあるのか?」


「当たり前だろ」

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