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魔女
「腹、痛い……」
リノスが目を開くと、見覚えのない白い天井。
「起きた?」
澄んだ声。
長い黒髪に、金色の瞳を持つ少女が覗き込む。
全く知らない女の子だがーーリノスの口は、自然に動いた。
「父さん?」
「やめて、あんな見にくい体……処分したわ」
憎悪に震える少女は
「必要ないでしょう。だって、貴方とずっと一緒に居たのは私なんだから」
リノスに告げる。
父の体を処分した?
「どういう……意味?」
呆然とするリノスに
「カイン・テトラグラマトン、彼は確かに優秀だったわ。失われたウロボロス族の遺跡を発掘、そして私の一部……切り落とされたディアボロスの腕の中から、貴方を拾った」
「嘘だ……父さんが、そんなはず」
「私は、人間の男をチェンジリングに使ったの」
少女は妖艶な笑みを浮かべ
「私は、上手く出来たでしょう?」
ベッドに横たわるリノスの耳元で囁く。
「ねぇ、ノア。昔みたいに、ディアって呼んで……今度こそ、一緒に」
「うるさい」
「きゃあ」
力の入らない手で、少女を突き飛ばす。
「オレは、リノスだ」
ふらふらとした足取りで、リノスは部屋を出る。
「記憶が戻ってないだけ……」
ディアは頭を抱えて
「いいえ、もう一度、作り直さないと」




