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【長編】この度、ワガママ義妹と婚約者を交換することになりました  作者: 温故知新
第四章 幸せになりましょう!

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第97話 私の養子先

「カーラ、このような大事なことを相談せず、勝手に決めてしまって申し訳ない。だが、これも君を守るためなんだ」

「分かっています、フォール様」



 申し訳なさそうにする彼が、本気で私との未来を望んでいることは分かっている。


 だからこそ、反乱が起こる前に私の養子先を見つけようとしてくれたのだ。



「もちろん、最終的にどの家の養女になるかはカーラ自身に決めてもらうし、嫌なら別の方法を探す」

「フォール様……」



 ――やっぱり、この方は最後には私の意思を尊重してくださる。


 だから、今度は私自身の意思で、この方を信じよう。


 ……いつまでも、過去を引きずって、感傷に浸っているわけにはいかない。


 小さく息を吐いた私は、頭を下げたままフォール様に向かって自分の意思を口にする。



「フォール様、私はフォール様がお選びになった家の娘になります」

「いいのか?」



 そっと顔を上げた彼に小さく頷く。



「えぇ。あなた様がお選びになった家なら、実家のような扱いはされないと信じていますから」

「カーラ……」



 王都で傷ついた私にずっと寄り添ってくださった、この方を私は信じる。


 フォール様はしばらく私を見つめると、小さく頷いた。



「分かった。ありがとう、カーラ」



 そう言うと、フォール様は前国王陛下へ視線を移した。



「ということですので大伯父上、カーラの養子縁組について、ご助力いただきたいのです」



 真剣な表情で頭を下げるフォール様に、驚いた表情の前国王陛下が少しだけ笑みを零した。


 ――まるで、その言葉を待っていたかのように。



「そういうことなら、もう決めている」

「「えっ!?」」



 き、決めている!?


 驚いて言葉を失う私とフォール様に、お義祖父さまは得意げに笑った。



「実は、そのことを直接、カーラさんに伝えるためにこの家に招き入れたんだ」

「そう、だったのですか?」



 てっきり、お義父さまのお願いを聞き届けてくださったのだと思っていたわ。


 すると、お義祖母さまが養子先を決めた経緯について話してくださった。



「カーラちゃんが次期王妃に相応しいことは、王都にいる愚かな貴族以外、皆知っているわ。だから、カーラちゃんがフォールちゃんの婚約者に決まった時、私たち夫婦とお義兄さまで養子先を探していたの」

「そんな前から……」



 私が辺境伯領へ来て間もない頃から、この方々は私たちのために動いてくださっていたのね。


 顔も知らない私のために、人知れず動いてくださっていたお三方の優しさに、思わず涙ぐみそうになる。


 その時、嬉しそうに笑っていた前国王陛下の表情から、ふっと笑みが消えた。



「それで私と弟夫妻で養子先を探した結果……君の養子先を、ボアソナード公爵家にしようと思っている」

「っ!」



 ボアソナード公爵家って……!



「ボアソナード公爵家といえば、私の母の実家ではありませんか!」

「えっ!?」



 お義母さまはボアソナード家のご令嬢だったの!?


 驚きの声を上げているフォール様の言葉に、私も思わず声が漏れた。


 ボアソナード公爵家は、この国の貿易を長年支えてきた名門公爵家。


 国内外に広い商路を持ち、王国経済を支えるほどの力を持つ。


 そして、その名を聞いて真っ先に思い浮かんだのは……



「ボアソナード公爵家といえば、我がバリストン公爵家と敵対している家ではありませんか?」



 正確には、両公爵家そのものが敵対しているわけではない。


 現当主同士の仲が悪いのだ。


 二人は学園時代からの知り合いで、何かと対立していることは聞いている。


 実際、あの男は事あるごとにボアソナード公爵家の現当主様を貶していた。



「そうだ。ただ、敵対するようになったのは現当主の代になってからだ」

「現当主になってからなのですか?」



 てっきり昔からの因縁なのかと思っていたけれど……。


 でも、あの男が当主になってからと聞くと、嫌な予感しかしないわ。



「そうだ。学生時代、バリストン公爵家の現当主は、婚約者そっちのけで、当時男爵令嬢だった女性にうつつを抜かしていた。それに対し、ボアソナード公爵家の現当主が何度も彼を諫めたらしい。その結果、二人は対立するようになり、今の関係になった」



 なるほど……学生時代の出来事が、今も尾を引いているのね。



「もっとも、ボアソナードの方も、同じ公爵家の跡取りとして、バリストンと同類に見られたくないという思いがあったそうだが」



 それなら納得できる。


 『公爵家』という肩書だけで、あの男と同じ目で見られるなんて、堪ったものではないものね。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!


そして、ブクマ・いいね・評価の方をよろしくお願いいたします!

(作者が泣いて喜びますし、モチベが爆上がりします!)


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