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【長編】この度、ワガママ義妹と婚約者を交換することになりました  作者: 温故知新
第二章 愛しい君を溺愛させて!

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第49話 至福の時間

「カーラ、我が領で一番大きい図書館はどうだった?」



 建国時から続く由緒ある図書館を二時間ほど堪能した後、私はフォール様の行きつけで貴族もお忍びで使う喫茶店の個室で昼食をとっていた。



「はい! 王都で見たこともない本ばかりで、見ていてとても楽しかったですわ!」



 二時間という短い時間だけだったけど、学園や王宮の図書室に所蔵されていない本にたくさん出会えて、実に有意義な時間だったわ。


 ――決めたわ。今度、アンナを連れて図書館に行くわ。


 ……そして、フォール様とも。



「そうか。辺境伯領は隣国と接しているからな、王都で滅多にお目に罹れない本もたくさんある」

「そうなのですね」



 ――今度来た時、フォール様おすすめの異国の本を読んでも良いかもしれないわね。


 すると、向かいの席に座っていたフォール様がそっと顔を近づけると、周囲に聞こえない声で囁く。



「次、楽しみだな」

「っ!」



『次のデートはここで朝から二人で読書としゃれこもう』



 図書館に入った時に交わした約束が脳裏に蘇る。


 ――本当、フォール様はいつだって、私を甘やかそうとするわね。


 至近距離で囁かれた彼の甘さを含んだ言葉に、頬が熱くなった私は、持っていた食器をそっと置く。



「あ、あの、フォール様」

「なんだ?」

「そ、その……私からおねだりしていて何なのですが……本当に、ご迷惑ではありませんか?」

「どうしてだ?」

「だって、次期領主としての仕事がございますし……それに、ここ最近は魔物討伐に出る機会が増えているではありませんか」



 フォール様はいつも執務や魔物討伐でお忙しくされている。


 特にここ最近、大森林に張られた結界の弱体化が進み、魔物が頻繁に外へ出るようになってからは尚更。


 本当なら、次期辺境伯夫人としてフォール様を支えなければならない。


 ――王都の頃のように、婚約者として彼の仕事を肩代わりするくらいに。


 けれど、侍医であるマホロフさんから許可は出ていない。


 それに、フォール様からは「まずは辺境伯領を知ってからな」と言われている。


 だから今は、王都の頃のようなことは出来ない。


 ――そうだわ。この機会に、辺境伯領について勉強しようかしら。


 今回のデートで、改めて辺境伯領のことを知らないことが分かったし、それくらいなら、マホロフさんもフォール様も許してくださるかも。


 今までは、周りの人達の言葉を聞いて、自分の心と身体を休めることを優先させてもらっていたのだから。



「ですから、私のために時間を作っていただくのは……」

「カーラ」



 私の話を遮ったフォール様は、とても真剣な表情で私を見つめる。



「一昨日も言ったが、君との時間は俺にとって迷惑じゃない。むしろ、カーラのために時間を使うことは、俺にとっての最高のご褒美であり、至福の時間だ」

「っ!」



『カーラのために時間を使うことが迷惑なわけあるか』



 そうよ、一昨日、ご両親の前でフォール様は私との時間を『迷惑じゃない』っておっしゃっていたじゃない。



「すみません、あなた様の気遣いを無駄にするようなことを申し上げてしまい」

「いいんだ。むしろ、君は俺との時間を迷惑だと思うか?」

「そ、そのようなこと! 私だってフォール様と過ごす時間はその……幸せな時間ですし」

「っ!……カーラ、公の場でそんな可愛いことを言わないでくれ」

「えっ?」



 私、今、可愛いことを言ったかしら?


 耳を真っ赤にして顔を手で覆っているフォール様に首を傾げた時、注文した料理が運ばれてきた。



「フォール様、美味しそうですね!」

「あ、あぁ……とても美味しそうだな」



 この店で出された辺境伯領の家庭料理は、とても素朴で作った方の優しさの詰まったもので、見ているだけで心が落ち着いた。


 あっ、そう言えば……



「フォール様」

「なんだ?」

「フォール様の行きたい場所ってどこですか?」



 商業都市の賑わいと図書館の素晴らしさに感動して聞くのを忘れていたわ。


 すると、フォール様がニヤリと笑った。



「それは、行ってからのお楽しみだ」

「えっ?」

「さぁ、冷めないうちに食べよう」

「は、はぁ……」



 フォール様の行きたい場所って一体どこなの?


 そうして、フォール様と共に辺境伯領の家庭料理に舌鼓を打った私は、心もお腹も満たされながら店を後にした。


 そして、手を繋ぎながらフォール様の行きたい場所へ向かった。


 まだ、手を繋ぐことに恥ずかしさはあるけど、甘く微笑んだ彼から『ほら』と手を差し出されたら断れないわよね。


 それに……彼と手を繋ぐことは嫌ではないから。


 ――そこで、何かが爆発したフォール様にあんなにも振り回されることになるなんて知らずに。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!


というわけで、カーラとフォールのイチャイチャをお送りしました!


いや~、毎話イチャイチャしていますね(笑)


あと、フォールが段々重くなっている(笑)


そんなフォールがカーラと一緒に行きたいところとは?!


そして、ブクマ・いいね・評価の方をよろしくお願いいたします!

(作者が泣いて喜びますし、モチベが爆上がりします!)


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