表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【長編】この度、ワガママ義妹と婚約者を交換することになりました  作者: 温故知新
第四章 幸せになりましょう!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/104

第99話 聖女カーラ

「……はい、これでおしまい」

「ありがとう、聖女のお姉ちゃん! シスターのお姉ちゃんと一緒に、皆の怪我を治してくれて!」

「アハハハッ……」



 ――正式な聖女は私の義妹なんだけど。



「ほら、リーラ、行くわよ」

「うん、また来てね! 聖女のお姉ちゃん!」

「はい、またね」



 聖女の力を使って各地を巡ってあっという間に三か月が経った。


 王族や実家に見つからないよう細心の注意を払いながら、フォール様と共に各地を巡った。


 向かったのは、これまで聖女の力が十分に届かなかった場所や、魔物被害が特に深刻だった地域ばかりだ。


 私はそこで結界を張り、魔物によって汚染された土地を浄化し、人々を救い続けた。


 ――それも、リスタット辺境伯家と養子先であるボアソナード公爵家の尽力あってのことだった。


 というのも、私を養子に迎え入れてすぐ、ボアソナード公爵家は私の「聖女として各地を巡り、人々を救いたい」という願いを聞き届けてくださり、その実現のために力を貸してくださった。


 私は、敵対していたバリストン公爵家の令嬢だからと警戒されると思って身構えていたけど……実家以上に温かく、それでいて聡明な人たちでとても驚いたし……とても嬉しかった。


 ちなみに、ボアソナード家にご挨拶した際、かつての王太子妃候補であり、ボアソナード公爵家の令嬢であるリリア様から「お義姉さまと呼んでもいいですか?」と迫られた。


 どうやら、私のことをずっと前から慕ってくれたらしい。


 そんな人たちの協力があり、フォール様と共に各地を巡っているうちに、いつの間にか、人々は私を『聖女』と呼ぶようになっていた。


 かつては義妹だけのものだと思っていたその呼び名が、今では私にも向けられている。


 ……少し前までの私なら、想像もできなかったことね。



「カーラ、教会での治療は終わったか?」

「はい、今終わりましたわ。フォール様」



 教会で、私はシスターたちと一緒に魔物の被害に遭った人たちや、フォール様と共に魔物討伐をしてくれた冒険者や騎士の皆さまを治癒していた。



「そうか。こちらでも『聖女』と呼ばれていたな」

「そうですね。かなり照れ臭いですけど」



 『魔力ゼロ』と蔑まされていた私が、『聖女』と呼ばれるなんて……正直、いまだに実感が湧かない。



「何を言う、今のカーラは間違いなく『聖女』と呼ぶに相応しいじゃないか」

「そうですよ、カーラ様! あなた様のことは、他の貴族領にいるシスターたちからも有名ですわ! 『王都にいる聖女よりよっぽど聖女らしい』って!」

「そんな風に言っていただけるなんて……」



 一緒に怪我人を治療していたシスターから手放しで褒められ、思わず視線を逸らす。


 自分の知らないうちに、そんな風に言われているとは思わなかったから。



「そう言えば、フォール様の方はどうですか? 魔物討伐の後、レスタント伯爵様にお会いしたと思われますが」



 私が聖女として活動している間、彼は、次期国王として訪問先の貴族領の領主たちを訪ね、来る反乱への協力を求めながら、更なる信頼関係を築いていた。


 今、私たちがいるレスタント伯爵領は、東側の隣国との境にある貴族領であるが、魔物討伐が追いついていないせいで、貿易拠点としての役目を果たせていないらしい。


 そのせいで、フォール様も魔物討伐に行くことになったのだけど。



「あぁ、今回の魔物討伐とカーラが張ってくれた結界と汚染された土地の浄化のお陰で、自領を立て直せそうだから、俺たちに協力してくれるそうだ」

「そうでしたか! それは良かったですわ」



 フォール様の話を聞いて嬉しい反面、どことなく罪悪感を覚えていた。


 私がやっている仕事は本来、アリシアが自ら足を運んでするもの。


 聖女の力が付与された魔道具だけでは、どうしても限界がある。


 レスタント伯爵領だって、一応、魔道具が各所に設置されていたけど……もう少し遅かったら、今頃、この場所は魔物が跋扈する土地になっていたかもしれない。



「……頑張らないと」



 ――聖女としても、『未来の国母』としても、この国を繁栄に導くために。


 小さく拳を握った瞬間、横からそっと肩を叩かれた。



「フォール様?」

「カーラ、頑張るのは良いが、ほどほどにな。ここには俺やシスター、騎士に冒険者もいるのだから」



 フォール様に甘く指摘され、頬を赤らめた私は、そっと周囲を見回す。


 そこには、朗らか笑みを浮かべるシスターや神官、そして、いつの間にか来ていたレスタント伯爵様がいた。



「はい、フォール様」



 ――そうよ、もう私は一人じゃない。王都にいた頃みたいに頑張らなくてもいい。


 それに、まだまだ回らないといけないところはたくさんある。


 ここで倒れたら元も子もないわ。


 小さく頷いた私は、レスタント伯爵様にお礼を言われると、その場を後にした。


 そして、三か月後。


 来るべき日が遂に訪れた。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!


というわけで、聖女として活躍するカーラをお届けしました!


同じ聖女でも全然違いますね(笑)


そして、ブクマ・いいね・評価の方をよろしくお願いいたします!

(作者が泣いて喜びますし、モチベが爆上がりします!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ