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勇者な村人D  作者: ネコモドキ
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勇者な村人 5話

一応この作品の主人公は自身の戦闘力と、自身が周りに与える影響力を理解しているつもりです。

ですが、実際はどちらも二回りほど上回った実力を持っていますので空回って見えるだけです。


ーーーいや、本当に。

ーーー書いてたらなんか勝手にキャラが動き出した。とかじゃなく。

ーーー信じて下さい。


と、言うわけで第五話の始まりです。

前回、閑話を挟んだ為に話が飛んでいるかのように見えるので、お気をつけ下さい。

午後にもう一話投稿して今日の分は終わりです。

 



「ふぅ、終わった終わった〜」


 まあ、だけど【聖騎士】隊、隊長が惹かれているのはあくまで村で、隊員が今、惹かれているのはまた別のもの。


 だから、これからの話はあえてこう言おう。


 “これはこれ!それはそれ!”と、


「あ、あの、シンク殿!」


「ん、………あー………ちょっと待って。へい!しゅーごー!」


 しゅーごー!の掛け声で集まる、先程の戦闘において主だった人達。……円陣を組んで何やら話し始めた。


「(………よく考えないでやっちゃったけど、こんな辺境の地にこんな過剰戦力はやばい。直ちに潰そうとか思われてないよね?)」


「(………よく分かんないけど、思われてるに一票)」


「(おいジーさん。何かいい案はないか?)」

 

「(んー……どう見てもあの赤髪の可愛い子は貴方の事をじっと見てるんだし……落とすって言うのは?)」


「(ネムおばさんは黙って。で、タナおじいちゃん、本当に何かいい案はないの?)」


「(ごめん。ワシもそれ言おうと思ってた……)」


「(お兄ちゃん(・・・・・)、分かってるよね?(ニコッ))」


 ロゥの笑顔により、辺りの気温が10度ほど下がる。


 ーーー息が白くなって来た。


「(も、勿論であります!(ビシッ!))」


「(完全に尻に敷かれとる……)」


「(ロゥちゃんをシンクが拾って来て早八年……時代の流れは早いわねぇ〜あの頃の私は……)」


「(今、過去編に突入!?早くない!?)」


「あ、あの〜そろそろ………」


「え!あ、はーーい!」


「(いや、本当にどうする!?先祖代々受け継いで来た土地だぞ!?せっかく慣れないぶりっ子まで演じたのに!)」


「(それとは関係なく、お兄ちゃんに聞きたい事があるんだけど……)」


「(え、これって挙手制なの?まあ……どうぞ、ロゥ)」


「(あの女達はナニ?)」


「(…………お、王都の【聖騎士】隊の皆様だよ。ロ、ロゥ、くれぐれも失礼のないようにね?後、男の人もい……るよ?)」


「(ふー……ん、村の人はみーんな知ってたのに、ロゥだけは知らなかったんだけど?)」


 どんどん下がっていく気温。


 草がパキパキと音を立て崩れていく。


「ーーーす、すみませーん!まだですか〜!?」


「いえ、ここで粘らなければ後々僕が凍死するので!」


「一体何を話し合ってるんですか!?」


「(しょうがない!成せばなんとかなる!で行こう)」


「(了解……)」


「(このミーティングの意味、あったのかのぉ……?)」


 鼻水が凍り、眉やら服やらに着いた霜を落とす間も無く、説明へと移動する。


「お、おまたせ〜……ん、ん"ん"っ!え〜大変お待たせしました。【聖騎士】隊の皆々様。何か御用でしょうか?」


 え"っ……まさか今ので誤魔化せると思ってる……?シャーロットは真剣に悩んだ。


 今のシンク……ひいては村人達は誰が見ても挙動不審だったからだ。……一人を除いて。


「せ、拙せつ、せっ……」


「ちょ、落ちついて下さい。なんなら、うちへ来ますか?お茶で良ければ出しますよ。うん、こんな可憐な人を森で待たせるなんて僕もどうかしていました。さあさあ、どうぞうちへ」


「え、いやいやいやい!拙はそ、そういうのではなくてですね……あ、え、えー……と、その……」


 唐突にだが、今の副隊長は何故か恋する乙女のそれだ。


 頰を上気させ、瞳はウルウルしている。


 ……それに気付いているのはシャーロットで、それに気付いた上で面白くなりそうとニマニマしているのが約三名いるのだが……


 まあ、元来脳筋と言うのは自分より強いものに惹かれる性質がある。


 なので、しょうがないと言えば……しょうがないのだが……どうして、こんな獣染みた性質を我が隊は持ってしまったのか……あ、また汗が出てきた。


「ねえ、その女達はナニ?」


 そこに割って入ったのは先程の白狼の女王様……じゃなくて少女だった。


 唐突にだが、今のシンクは何故か病人のそれだ。


 頰を青白くさせ、時折短い苦しげに息を吐く。何だか手や足も震えている。


「え"、」


「あ、せ、拙達はせ【聖騎士】隊であります!で、拙が副隊長ので、ディオンでありま!」


 噛みまくりだ。どんだけ緊張してるんだ。


お兄ちゃん(・・・・・)、この人達と戦っていい?」


「「「「っ!!」」」」


「いや、でも……ご迷惑じゃ……(俺に)」


「いえいえいえいえ、ととと、とんでもございません!寧ろウェルカムです!どんと来いです!ヒャッホーイです!」


 そう、元々【聖騎士】隊はこの人達と戦いたかったのだ。それを、シンクが別の方向へと持っていこうとしただけで………あ、村の皆さん引いてらっしゃる……


「今、ここでいい?」


「いや、ちょっ……まっ」


「はい!」


「え、いや……少しまっ…」


「あ、全員でかかってきて(・・・・・・・・・)


「っ!……えーと、今なんと?」


「だから、全員でかかってきて、って」


「おーい!ちょっと待ってー!」


「女子供と言えど情け容赦はしませんよ?」


「それが?」


 白狼の少女の言葉は決して挑発ではない。それをやってのけるだけの実力はある。


 そして、【聖騎士】隊もそれが分からないほど落ちぶれてはいない。それに、いざ勝てない時は命を大事にとも言ってある。


 だから、これはプライドの勝負。


 少女と、いっぱい。文字にすると簡単だが、その乱戦はどう考えても少女が不利だ。


 だが、やると言う。村の皆さんは一切気にしていない。……ニタニタしてらっしゃる。


 ただ一人、青い顔をした自称村人Dがいるが、完全に空気だ。いや、審判だ。


「…………えー、では、両者別に怪我をしても良いですが、決して死なないように。てか、殺さないように。……始め!」


「……疾」


 ーーーそして、少女が前に出る。


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