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勇者な村人D  作者: ネコモドキ
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勇者な村人D 第21話


*軽いネタバレ込みの前書きです?


やっと出せたあの言葉!あるぇ!?こんな淡白な感じなノォ!!………と、思ったそこのアンナァタァ!!安心しろ!私もだ(キラッ)


と、言うわけで、今回も今回でまぁーーーた遅くなりました、ネコモドキです。最近は新生活に伴い寝る時間がゴリゴリ飾られておりますので常時不安定な上にテンション(↑▽↑)です。友人に相談してみたところ………

「別に趣味の範疇だし、それにあんま期待して人少ないんだしよくね?」

もうちょっといるよ!………多分……少しは……恐らく?うん。

ともあれ、待たせてしまった皆様、別に待ってないよと言うか、もう諦めちゃったよ!と言う皆様。お待たせしました、第21話!いよいよ魔王軍VSヒトが始まります。5行目か6行目くらいに軽いネタバレが入りましたが、恐らく大丈夫でしょう。


アホみたいな事情にお付き合わせしてしまい申し訳ありませんでした!ではどうぞ!

 

『お お お お お お お お お おおおおぉぉぉおおおっっ!!!』


 幾人もの野太い怒号と共に上がるは、泥、血飛沫、汗水、涙、悲鳴、断末魔、泥水、体の一部。

 雨の中、勇敢な、或いは獰猛なが似合う戦士と戦士がぶつかり合う。


「姫様ぁ!勇者殿が!勇者殿がおられません!!」


「………ハアッ!?」


 ーーーそこは、戦場だった。



 ☆



 《女傑》シャルロットが目を覚めたのはあれから三日後のことだった。それから、馬車に揺られる事十日。

 彼女は王道に帰還し、王へと此度の事についての報告をしていた。


「……して、それは誠か、シャル」


 …………一人で。


「はい。魔王軍は恐らく後三週間程でこの地へと侵攻してくるでしょう」


「要求は?」


「ありません。どうやら、ただ蹂躙する事が目的かと」


「おのれ、魔王改め魔王軍め………!三百年前と同じ、あの《悪夢》を繰り返すつもりか」


 《悪夢》とは、初代勇者シンクが初代魔王フローラと戦い、なんやかんやあって手を組み、国を蹂躙した後に主要人物だけを引き連れて高笑いしながら帰っていった出来事。

 あの時代を生きるのはもう、エルフか今《悪夢》を口にした大臣のような《遅滞》ーーー肉体の成長を遅らせる魔法ーーーを使える魔法師のみ。

 その言葉を口にするだけで大臣は膝をつき、ガクガクと体をしならせ、口から泡をブクブクと吹き始め………気絶した。


「「「「…………」」」」


 一同からゴクリと唾を飲み込む音が、広い謁見の間に響く。そんな中、空気を紛らわせようと王が娘……シャルに問いかける。


「そ、そう言えば【聖騎士】隊はどうしたのだ?お前以外姿が見えぬが……」


 シャルが、言いにくそうに口籠る。それは、誰の目にも明らかな回答だった。


「そうか………此度の遠征で………」


 亡くなったのか。口にはせずに思う。この場にいる者たちも少なからず思う事があるのか、皆それぞれに黙祷を捧げ始めた。


「主よ……」「デュオンさん……」「ご冥福を……」「今までありがとう……」「へっザマァねぇな!」


「だが、お前が生きてくれただけでも嬉し……」


「い、いえ、違うのです。パ、王よ」


「む?何が違うのだ?」


「風邪です」


「はむ?」


「風邪です」


「………そうか、風の《魔法》にやられたか」


「主よ……」「デュオンさん……」「ご冥福を……」「今までありがとう……」「へっザマァねぇな!」


「いえ、風邪です」


「…………」 「……………………」「……………」「…………………………」「……………………」


「………その『かぜ』というのは高熱が出て吐き気がして身体中が怠くなる病気の一種かい?」


「あ、ハイ」


「…………うん。自身の健康管理が大事だからねっ…………………減給!」


「嘘だろ……」「デュオンさんが!?」「 一体どんな菌が……」「我々が感染した場合死ぬんじゃないか?」 「へっ!ざまあねぇぶあくしゅんっ!」


「「「「いやああああああっっ!!」」」」


 おおう。流石は国内外に名を轟かせる脳筋隊。因みにだがーーー勇者が持ち込んだ知識だがーーーこの世界には《細菌》と言った目に見えないものが存在するという概念と、こんな言葉がある。


 ーーー馬鹿は風邪をひかない!!っっとっ!!


 

「ま、まあ………今回行ってもらった地域は危険な魔物はいないと聞いていたからな」


 王があまり口を開かずに、手でマスクをしながら続きを話す。予防は大事だ!


「え、ええそうでしたわ……」


 やっぱい彼奴らがいっぱいいましたわ!


「それに、あの地域の者達は温厚な人が多いと言う。風邪になった理由は分からぬが……まあ、いい経験にもなっただろう」


 その温厚な人達が氷漬けにしたから風邪になったのですがね!


「して、ああいや、言ってなかったな。実はな、今回の遠征には………」


「既に存じております。勇者でしょう?」


「ああ……《勇者》本人から聞いたのか?そうだ。と、言う事は勇者に……」


「すみません……言い忘れていましたわ。そうです。そして!彼が勇者である………」


「どーも!勇者【ヒガミ・シント】です!」


 名乗り上げたのはシャーロットの後ろにいた黒髪黒目の青年。整っている……とまでは言わないが、温厚で誠実そうな好青年……と言うのが第一印象だ。


 そして……


「ほぅ……そなたが勇者……勇者?……あー……うん。勇者………」


 目の前にいるのは勇者と名乗った男。常時ニコニコとして、まあうん。確かに好印象な男だ。だが……


 ……普通だ。普通なんだ。いや、普通と言うのはこの世界において基準値としてはやや違う。正確には『覇気がない』


 村人並みに覇気がないのだ。例えば、村人をここに並べるとしよう。その4番目くらいに覇気がない上に存在感がない。正直、ゴブリンにさえ捻り潰されそうな印象だ。


 そして、ついポロリと、いや自然と王の口から出た。出てしまったーーーー


「おお、勇者よ…………これが、勇者か……情けない」


「おい、おっさん。そのネタ古りーんだよ。もうちょい、アニバーサリーに生きようぜ!」


「うん。死刑☆」


 世界が、その場が凍りつく。シャーロットに至っては、目に涙を溜めたいた。しかし、その場で唯一動き出したものがいる。

 がっつり偽名を使った勇者でもなく、涙目になりながらプルプルしだしたシャルでもなく、にっこりとした王でもなくーーー


「き、既視感が………」


 いつの間にか、復活していたら大臣だった。



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