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僕の小さな救出作戦  作者: 桜 舞華
極めて平凡で概ね平和
13/16

ペットショップ

 ペットショップは、先ほどまでいた服屋さんの上の階にあった。ペットショップ目当てで来たことがないので、若干迷子になりつつ、館内放送されるまでには辿り着くことができた。

 さて、何を買えばいいのやら。

 俺はペットを飼ったことがないし、エミカも引きこもりは小さい時からの持病なので、散歩が出来ないと言う理由から飼ったことがない。

 はてさて、困ったものだ。

 アドバイスをもらえないぞこれ。


「……何買えばいいと思う?」

「え?知らない」


 物珍しそうにキョロキョロと商品を眺めていたエミカは、突然の俺の質問にあっさりと答えてくれた。ただし、悪い意味で期待した通りの答え。


「だよなぁ。とりあえず、首輪か」


 このペットショップはかなり品揃えがいい。なんかよくわからん家具みたいなものから、首輪やペット用の服までありとあらゆる物が売っていた。


 ナゴは何故か首輪を買うことを念押ししていたので、ご要望に沿って首輪を見る。


「首輪……?アキ、そんな趣味が……!」


 人にしたことは回り回って自分に返るらしい。それを痛感する。これが『因果応報ブーメラン・マジック』か。

 ちょっと頭痛い人風に言ってみる。

 とりあえず、あらぬ誤解は丁重に解いておいた。


「なんだ、ナゴちゃんのか」


 何故か残念そうにするエミカを伴って、首輪を見る。かなりの数があったが、ナゴが黒猫だと言うことと、俺の予算によってすぐに決まった。

 シンプルな白い革で作られた、ベルト型の首輪。シルバーのプレートには、わざわざ名前を掘ってくれるらしい。

 あえてローマ字で『Nago』と掘ってもらうことにして、生真面目そうなお兄さんにお願いした。お会計はまとめてやってもらうことにする。


 さて、次は。


 そういや、ナゴって何食うんだろうか。人語を喋るってことは、人間の食べ物も食べれるのか?

 それとも、それとこれとは違うのだろうか。


 迷った末にキャットフードと、皿、猫用トイレと、店員に勧められたキャリーバッグ、猫用ブラシに猫用シャンプー・リンス、爪とぎのためのなんたら……色々買わされた。


 レジに行って、家にあるだけの金全部持って来て良かったと思う反面、何故こんなことに、と己の不幸を嘆いた。

 一応、店員さん曰く一番安い物で揃えましたと、きらびやかな笑顔で言われた。愛想笑いってことは一瞬で見抜いた。

 バイトしてる俺からしたら、まだ払える金額だったことにホッとした。改めて、生き物の命の重みを痛感しました。


 母さん父さん……小さい頃、捨て猫や捨て犬を飼いたいという無理を断られ続けた理由がわかりました。わがままごめんなさい。


 ずっしりと、いきなり重くなった買い物袋を恨めしげに見ながら、遅い昼食を取りに行った。



「……もう1時か……」


 俺のお腹はペコペコだが、不規則な生活をしているエミカは特にお腹が空いてはいないらしい。

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