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僕の小さな救出作戦  作者: 桜 舞華
極めて平凡で概ね平和
12/16

買い物

 久々の外出だから服が欲しい、と女子アピールされたために、俺はショッピングモールなるところに連れて行かれた。中の店が少しずつ違っているらしく、エミカは田舎者よろしくキョロキョロしながらほへぇと感心している。

 引きこもる前とそこまで変わってはいないと思うぞ、と言ったら男はわかってないねー、と可哀想なものでも見るような目で見られた。

 ナゴはペットなので、来店はお断り。と言うことで、外にいる。おれは好き勝手してるから、そっちはデートをたにょしてんでこいにゃん。と言われたので、ひと睨みしてから逃げてきた。


「アキー。これとかどう?」


 さっきから似たり寄ったりの服を見せては、どう?とポーズを取るエミカ。


「どう?と言われても、さっきのとの違いがわからん」

「えー!全然違うのに!ほら!ここ見て!さっきのはここにロゴが入ってたんだけど、今のこれはほら……」


 右から左へ聞き流す。俺の耳はさながらトンネル。中で反響しつつも、奥へと抜ける。


「あーそ。まぁ、勝手に選べよ」

「えぇー。勝手にって……アキ、冷たくなった!」

「悪かったな」

「あ、そうそう。私、今日お金持って来るの忘れちゃったんだけど」


 唐突だな。俺からやっぱり金を搾取するつもりらしい。たくましくなったな。元・いじめられっこ。

 兄さんは嬉しいよ。財布の紐が緩んでポロポロと涙がこぼれるぐらい。


「……わかったよ」


 出せばいいんだろ、出せば。はぁーあ、やれやれ。俺もあんまり余裕はないんだけどなぁ。


 エミカはひきこもりだった割りに、すぐに外に出れたな。妙に感心。幼馴染としては安心。


「じゃあ、これとこれにしよっかな」


 ようやく決まったのか、ひらひらと可愛い……のか?よくわからん服を二枚持っていた。それから、恋人のようにレジまで連れて行かれた。

 連れて行き方は恋人、扱いは財布。泣きそう。


「合計で8,980円になります」


 にっこり笑顔で店員に言われる。厚化粧の顔がニタニタと、下世話に笑う。新婚カップルをからかうような笑顔。

 新婚カップルって、どんなカップル。新婚ほやほやの夫婦のことだな。おい待て。俺らは違うぞ。


「っつか、たけぇな……」


 ぼそりと呟きつつ、万札を1枚出した。


 お釣りを財布に突っ込んで、財布はポケットに突っ込んだ。ご満悦の様子でエミカが大きい袋を持つ。

 白い紙袋は中身の割りに大きく、小柄なエミカが持つには大変そうだった。


「俺が持つよ」


 幼馴染だからな。昔ながらの癖を発揮してさりげなく持つと、なぜかエミカはキラキラした目でこちらを見てきた。


「なんだよ」

「え?なんか、カップルっぽいなぁと思って」

「あ、そ」


 何て言えばいいかわからん。もう放置でいいか。と言うことで、放置することにした。


「次どこ行く?」

「あぁ、えっと……ペットショップ」

「ナゴちゃんに?」

「そー……」


 お察しのいいことで。ナゴから注文されたもの買わないとな。お金足りるかな。


 財布の重さを確認しながら、そういや札より小銭の方が重いよな、と思う。財布の重さと中身は比例しなさそうだった。


「じゃ、早く行こう」


 こいつ、本当にひきこもりなんだろうか。

 すごく、外出を満喫してる感があるんだが。疑いの目を向けたら、小首を傾げてどうしたの?と言われた。首を振ってなんでもないよ、と答えておいた。

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