↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超越者――戦争の終わる日  作者: 4ランクは下の人間
第四章 日本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/34

第四章4 日本①

日本人のすべてがその状況を歓迎したわけではなかった。


国会では激しい議論が起きていた。


「なぜ日本が世界中の問題を背負わなければならないのか!」


「天皇陛下を外交交渉の道具にしてはいけない!」


「超越者の力を日本政府が利用していると思われるぞ!」


反対意見は少なくなかった。


政府も慎重だった。


超越者は日本の所有物ではない。


天皇も政治的に超越者を命令できるわけではない。


そこで政府は、一つの原則を定めた。


超越者との対話は、天皇個人の政治的意思として扱わない。


超越者から何らかの回答を得たとしても、それを日本政府が勝手に「超越者の命令」として利用することを禁止する。


それは、超越者を日本政府の権力として扱わないためでもあった。


同時に、日本が超越者を支配しているわけではないことを、世界に示すためでもあった。


それでも、日本には世界各国から問い合わせが届き続けた。


日本政府は、そのたびに対応した。


これらの対応によって、日本は辛うじて世界からの疑念を抑えた。


そして少しずつ、日本人も気づき始めていた。


日本は、超越者を手に入れたわけではない。



それは、日本政府も理解していた。


超越者ノ間を管理している。


天皇を通じて、超越者と対話することができる。


しかし、それだけだった。


超越者が日本政府の命令を聞くわけではない。


日本の国益に沿った回答をするわけでもない。


むしろ、これまでの対話を見る限り、政治的な問題については極端なほど距離を置いていた。


それでも、質問は届き続けた。


アメリカ。


中国。


ロシア。


ヨーロッパ。


国際機関。


大学。


研究機関。


世界中が、超越者に何かを尋ねたがっていた。


そして日本もまた、質問を持っていた。


だが、日本政府は慎重だった。


超越者から得た回答を、政府の政策決定に利用してはならない。


まして、


「超越者がこう言ったから」


という理由で政治を動かすことなど、認められるはずがなかった。


それは、超越者を日本政府の権威として利用することになる。


だからこそ、最初の質問は慎重に選ばれた。


何を聞くべきなのか。


何を聞いてはならないのか。


そして――


超越者に、何を答えさせるべきなのか。


そもそも。


超越者は、何を答える存在なのか。


日本側は、まずそこから確かめることにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。