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超越者――戦争の終わる日  作者: 4ランクは下の人間
第三章 北朝鮮編

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第三章4 北朝鮮④


数日後。


金正温は決断した。


「実際に撃つ」


側近が震えた。


「どこへ?」


「日本へ向けて」


「しかし!」


「海に落とせばいい」


「日本の領土には?」


「着弾させるな」


「それなら攻撃とは……」


「分からない!」


金正温は叫んだ。


「だから確かめるんだ!ギリギリを狙え」


側近たちは凍りついた。


金正温は超越者を通して世界中に自分の痴態が発信された事に憤っていたのだ。


そして、その瞬間。


金正温は自分でも気づいた。


自分は今、何をしている?


国家の安全を守るためではない。


軍事的利益のためでもない。


外交上の利益でもない。


ただ、


超越者がどこまで怒るのかを試そうとしている。


それは、これまでの瀬戸際外交とは全く違うものだった。


相手が国家なら、失敗しても交渉できる。


相手が超越者なら、


失敗した瞬間に終わる可能性がある。


それでも金正温は命令した。自分のプライドが許さなかった。


「発射」


*----+


着弾

ミサイルは飛んだ。


ギリギリを狙ったはずが僅かにズレた。


そして日本領海内に着弾した。


世界が止まった。


東京。


ワシントン。


北京。


モスクワ。


ロンドン。


ニューデリー。


パリ。


世界中の政府が、一斉に情報を確認した。


日本への直接攻撃。


そして、


超越者の声が聞こえた。


『北朝鮮に告げる』


金正温は画面の前に立っていた。


顔面から血の気が引いている。


『私は警告した』


金正温は何も言わない。


『私は説明した』


沈黙。


『あなたたちは質問する機会を持っていた』


沈黙。


『あなたたちは、それでも境界線を越えた』


金正温の手が震え始めた。


『日本国天皇は、私の代行者である』


世界中の人間が聞いていた。


『代行者への攻撃は、私への攻撃とみなす』


そして、


『したがって――』


一秒。


二秒。


三秒。


世界中が息を止めた。


『北朝鮮に試練を与える』


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