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超越者――戦争の終わる日  作者: 4ランクは下の人間
第三章 北朝鮮編

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第三章1 北朝鮮①

平壌。


午前四時。


金正温は眠っていなかった。


机の上には、三枚の紙が置かれている。


一枚目。


「超越者、日本国天皇を代行者に指名」


二枚目。


「超越者、北朝鮮による通常の軍事活動には介入しないと表明」


三枚目。


「代行者への攻撃は超越者自身への攻撃とみなす」


金正温は三枚目を何度も読んだ。


「……つまり?」


側近が答える。


「日本を攻撃すれば、超越者への攻撃になるという意味かと」


「それは分かっている」


金正温は苛立った。


「問題は、どこからが攻撃なのかだ」


部屋に沈黙が落ちた。


*----+


最初の実験


「ミサイルを撃て」


金正温は命令した。


「どこへ?」


「東だ」


「日本海へ?」


「そうだ」


側近が一瞬ためらう。


「日本領海には?」


「入れるな」


「はい」


数時間後。


ミサイルが発射された。


日本海上空を飛び、海へ落下した。


世界中が反応した。


日本政府は抗議。


韓国政府は警戒。


アメリカは非難。


しかし、


超越者は何も言わなかった。


金正温はテレビ画面を見ながら笑った。


「ほらな」


側近たちも安堵した。


「超越者は介入しません」


金正温は頷いた。


「我々が恐れる必要はない」


その瞬間だった。


『その理解は正確ではない』


金正温の笑顔が消えた。


部屋にいた全員が固まった。


『あなたたちが海へミサイルを撃ったことについて、私は介入しない』


『ただし、私が介入しないことと、あなたたちが何をしてもよいことは同じではない』


金正温は立ち上がった。


「……境界線を示せ!」


『すでに示した』


「もっと具体的に!」


『あなたたちは理解できる』


「できない!」


思わず声が大きくなった。


沈黙。


側近たちが青ざめる。


金正温自身も気づいた。


超越者に向かって怒鳴った。


この答弁は既に世界中の人間が聞いている。


『理解する努力をしなさい』


それだけだった。

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