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レティシアとこれでも頑張った水着回(14/20)

「海に行こうよ」

 なんてマリーたちに言えば、自分たちじゃなくてアカリさんを誘えと言うんだろう。最近冷たいんだよねアイツら。

 私だって誘えるものなら誘いたい、でも無理なの。

 恥ずかしい?それもある。

 お仕事の邪魔しちゃ悪い?それもある。

 一番の理由は、私が彼の連絡先を知らないことにある。こんな状態じゃ付き合ってるとは言えないよね~。

 

「なるほど。向こうが積極的に参戦してこないなら、プールに行こう。仕事中バッタリ会っちゃった、ていうのも起こらないように」

「イヤだよ。逢いたいのは逢いたいんだから」

 別にチャレンジをしているわけじゃない。確率が低いところに行く理由がどこにあるの?

「そう言わないでよ。こっちにも問い合わせが来てて面倒なんだからさ」

「問い合わせ?何の」

「レティシア、あなた秋ぐらいに男の子たちと親しくなりませんでしたか?」

「あ」

 すっかり忘れてた……

「アイツらがどこか遊びに行こうってうるさくて……」

「あれ~」

 だよね、私かなりヒドくないか?

「お詫びついでに、そっかぁ行くしかないね……どうして私に直接言ってこないんだ?何でソフィア?」

「あんたみたいに簡単な人間関係じゃないのよ」

 おーい、こっちを見なさい。


 てなわけで、都民プールだ。

 そして水着も選べない女。だって水着なんてMANGAの世界だよ?あとはタウン誌で見るくらい。私服だって、お仕事でもらったものばっかりだし、着こなしのパターンはスタイリストさんに教えてもらったものを踏襲しているだけ。

「そ、ソフィアちゃん?ちょっとこれ、イヤかなり……可愛いわね!」

「そうでしょう、地球で19世紀後半に爆発的に流行った主流の……」

「そんなわけあるかぁ!」

 私だって知っている。コレは禁断の「スクミズ」ってやつだ。ご禁制の品をどうやって……

「イヤ、そんなヤバいやつじゃないから。普通に機能的で良い水着だよ。はい、これ着て体のライン隠してね」

 いわゆるラッシュガードという物を渡されて羽織る。もも上丈の完全ガードタイプだ。

「あ、アリガト。で二人はお洒落なセパレート。そういうわけね」

 私の参加は必須だけど、男共にチヤホヤされたい君達にとって、私のパーフェクトボディは邪魔ってことね。

「なんて浅ましい!」

「……何考えてるのかは分かるけどさ」

「レティシア、こういうプール初めてでしょう?……「凄く見られる」のよ?」

「私たちはレティシアがプールを楽しめるようにって思ってるだけよ」

「ソフィア……」

 私には勿体ないような友達だよ。

「ソフィアは別に思惑があるんだけどね」

「何のことかな!?」

 台無しだよ。

 

 ギルバートとジャーヴィそれともう一人、トーマスと言うらしい三人は、目立つイケメングループとなって注目されている。成る程な、見られてる。

「お待たせ~」

 ソフィアがブンブン手を振ると向こうも手を振り返してくる。なんか打ち解けてるな、私が知らない間に何かあったの?

「お、お久しぶり……」

「レティシア、そうだね久しぶり」

 ジャーヴィはどうでもいいとして、ギルバートにはなんか申し訳ない。

 しばらくはプールサイドでおしゃべりタイム。どうやらソフィアのお目当てはトーマス君みたい。キラキラ笑顔で彼に話しかけてて、めちゃ可愛い。側で見てるマリーがちょっと怖いけど。

 私たちはボソボソと近況報告。ああ、あれだけ親身に寄り添ってくれた、ギルバートの笑顔が今はしんどい。嫌いじゃないだけに、いたたまれない。私の心が君にないこと、気付いてるんだろうな……。

「そう言えば、アカリさんと会ったぜ」

 バカがいた!……どうしてここで彼の話がでるの!?

 あからさまに焦りだした私を見ても、ギルバートは優しく笑っている。え、それはそれで怖いんだけど。

「ソフィア情報で気になってたんだけどさ」

 内通者め。

「あの人すごいな、怖い」

 怖くないよ!

「良い人なんだよ。話しやすいし、昼飯も誘ってくれたりさ。でも、なんて言えばいいんだろ。自然の綺麗な雄大な景色も見てるとなんか怖い?そんな気分になる」

「生き物のレベルが違うって感じだったよ、オレ。だから、絶対航空隊に行きたくなったね」

「俺も。俺はアカリさんに憧れるけど、トーマスはレベッカさん狙いだろ?」

 バカは飛び火させるのが上手い。

 

「だからって、君を諦める気はないんだ」

 ジャーヴィがソフィアとじゃれ合いだしたので、ギルバートと二人になった。途端に彼は私を見て言う。

 アカリさんがこんな目で私を見て、同じことを言ってくれたら……。

 想像するともう恥ずかしくて、よくわからなくなったのでとにかくここから逃げよう!私はプールに飛び込んだ。

 

 何だかんだでたっぷり楽しんでの帰り道。

 当然のように一行の前を通り過ぎる、変な車。

 私は思いっきり手を振って、運転手も軽く挨拶してくれる。

「また逢えた」

「そんなバカな。確率ってどうなってるの」

 確率論じゃないのよソフィア。決まってる筋書きなの。

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