レティシアと全力撤退!(13/20)
前回までのあらすじ!
アカリさんの会社の受付さんたちのテンションがとにかく怖い!
「玄関で何騒いでんの?アカリを借りていくから、入るよ」
すごく自然に誰かが私達の間に割って入ってきた。
イケメンだ!アカリさんよりイケメン度では上だ。でもこの人貧乏くじタイプだ。一目でわかる。しかも引き慣れてそう。
たぶん助けに来てくれた人に何て失礼な感想を!
「誰だ!」
「お前は……!」
「「エムロードのシャルル!」」
きっとテンションがおかしなままなんだろう。なんかのMANGAで見たような台詞だなぁ、確かやられる方。
「もういいよそれは、たまには違うコントで出迎えろよ。で、何の騒ぎだ。お客さんも来るんだからな、あんまり騒ぐとエレナをけしかけるぞ」
エレナって何!?二人を見ると本気で怯えてる。このイケメンエレナ使い何者だ?でも助けてくれたことには違いないのでお礼は言おう。レティシアはちゃんと感謝できる子なんだから。
「あの!ありがとうございました。助けてくれて」
「うちのが迷惑をかけたね、レティシアさん。悪気はなくて大騒ぎするから、タチが悪いんだ」
二人もゴメンねと言ってくれた。
「あ、ありがとうございます。私の事を知っているんですか?あなたは?」
「俺はシャルル。アカリの兄だよ」
「アカリさんのお兄さん?」
それにしては全然似てないな、イケメン具合。
「血縁はないけどね。で、どうして君のことを知っているかというと、アカリの過保護な姉達がすごい美人が弟の近くに出現したと騒いでいて、それで知ってるというわけ」
初めて知るアカリさんの家族関係。お兄さんはちょいワルを装う真面目な、残念カワイイ。お姉さんは私の事を既に調べ上げていて、過保護。コワイしかない。
「あ~、あいつ等はアカリを心配してるだけで、君をどうかしようとは思ってないから。根は悪い奴らではない」
「エレナが関わっている時点で、私達が手を出して良いことではないとわかったわ。遠くから見守るだけにしましょう。がんばってねレティシアちゃん。あなたのファンはやめないから!」
猛獣エレナは彼の姉……。いつかは私の前に現れる。怖いけど、それでもアカリさんと逢いたいという気持ちの方が今は強い。がんばっていい女になろう!
「ところでファンって何です?」
「服のモデルをずっとやってるだろ?見てくれている人がいて、応援もしてくれている。そう言う意味だよ。そうだろ?」
自称ファン姉さんたちはウンウン頷いている。
私もアイドルを目指せる所まで来たんだ。ちょっと感慨深い。目指さないが。
「もう良いかな?」
そういえば、アカリさんを呼びにいってくれたお兄さんがずっと待っていたんだ。ゴメンナサイ。
「アカリ君なんだけど、もう帰ったみたい」
えーっ、今のドタバタ全部無駄?
「主任が女の子のことで弄りすぎたとかで、拗ねて帰ったらしい。仕事は二日分済ませてから帰るのが律儀だなと、言ってた。明日も休むって」
何と!主任許すまじ……。
「せっかくアカリの帰りを狙ってきたのにな。まあいい、替わりに主任、マイクか?こういうのは大体あいつだな、連れて帰るけど、良い?」
「いいよ。フロアの連中にも散々やられてたけど、止め差しておいて」
お兄さんがコワイ。この人も過保護の一人なんだ。きっとエレナさん行きなんだろう。
後の惨状を見たくなかった私は誰にも気付かれないようそっと、事務所を後にするのだった。




