レティシアとインターミッション!
最近、私は家にいる。
海辺で一晩過ごしたあと、喫茶店でセレブに過ごして家に付いたのは昼過ぎ。ほら、私基本歩きだし。
帰ったらマリー達が集まってて……。
めっちゃ怒られた。友達にも、警察にも!?
そしてめっちゃ泣かれた。
私の最後の言葉が悪かったみたいだ。
ギルバート君も憔悴してる。私のこと心配したくれてたのね。え?それもあるけど、私の失踪&自殺未遂の関係を追求されてめっちゃ責められた?ホントごめん。
というわけでしばらく一人では外出できなくなってしまったのだ。
「結局は人間は独りなの」
出掛けるにも誰かをわざわざ誘う必要があるので、前みたいに徘徊する気力もなく、部屋の端末でゲームなんかをして暮らす。知識はあったけど、ビデオゲームはやったことがなかったので、たいへん面白いものだと感じている。
いわゆる「落ちモノ」といわれるジャンルを朝から晩まで。独りになって不安が増えると、酒量が増えるのだけど、ゲームに集中している間は不安を感じる暇がない。この方法はすごくいい。
通信での対戦で、最初は下手くそだのと煽られまくった私だが、今では達人だ。煽ったヤツがルームインするまで待って対戦を強要。ボコボコにして煽りかえす。昨日くらいからは相手が私だと分かると降参するようになった。
好みは「つなげる系」より「落下系」。即ち隙間を埋めていくタイプ。
いつしか昼夜は逆転。ていうか時間感覚はない。
ゲームをしておなかが空いたらデリバリー、寝たいときは寝る。
毎日連絡をする必要があるので、定期送信タイプのアプリケーションを使って定型句を送信。
『生きてるよ♥』
対戦では無敵。タイムアタックもほぼ理論値上限の得点を安定して叩き出すことが出来るようになった頃、飽きた。
「さて、そろそろ再起動しましょうか……」
一週間見てもいなかった携帯端末にはメール通知だらけ。
「またこりゃ怒られるヤツだな」
そのうち怒ってもくれなくなるかな?
時計は昼前。今から部屋を片づけて支度すれば、昼食にはちょうどいい時間だ。連絡を入れておこうか。
端末を取ってマリー達に連絡を入れる。その前になんか言ってきてないかチェックしなくては……。
「マリマリ……大事な話があるので三日後お昼に家に行きます。三日後……今日か」
良かった。ヒドいところをまた見せてしまうところだった。向こうから来るなら丁度良い。まだ十分間に合う。
家の窓を全て開け放つ!
「寒!」
いつの間にか冬になっていた!
快適な部屋で半裸で過ごしていたので、いきなりの外気はとても寒く感じる。
片付けとは言っても、デリバリーのゴミをまとめるくらい。あとは掃除機を掛けて、あちこち拭いていく。ほとんどいつもの作業だ。ゴミはあとで地域の転換炉に持って行くから玄関近くに置いて。
お風呂の準備の間に窓を閉めて、パッと下着を脱いで洗濯機に入れれば、準備完了、ジャストタイム!
紙も身体も念入りに洗い、この1週間は簡単に済ませていたのだ、記憶では毎日……。湯船に浸かる。
「生き返るな~」
やっぱり自堕落な生活よりは、こういうメリハリのある方が好みだ、やりやすい。
「髪、だいぶ伸びたな。切るか?」
玄関の呼び鈴のブザーが鳴った。
『レティシア、起きてる?』
モニターに映るのはマリーとソフィア。
「ごめん、入ってきて。ちょっと今出れないの」
二人にはスペアキーを教えてある。というか教えておけと強く迫られた。
「ただいま~」
何がただいまだ、相変わらずだ。
「お風呂だよ~ちょっと来るの早くない?こらこら見に来なくても良いから」
「一週間ダラダラ過ごしていたのはわかったわ、そこのゴミで」
いや、めっちゃ集中してたし、時代も築けたよ。なんて言えないよ。心配してきてくれた友達に。
「今日来たのは、大事なお話があるからです」
メールでもあったね。もういい加減に愛想尽きたって話だろう。最後通告かな。
「レティシア、あなたには選択肢が二つあるわ」
「……はい」
仕方ない。たぶんこれからも迷惑は掛けちゃうだろう。安易に更生するからと言ってまた失望させたくはない。一人でも生きていけるよ。
「私かソフィアの家で暮らすか、私たちがこの家に住むか、この二つよ!」
「え?三つじゃん」
どうして君たちは、私を切り捨てない?
どうしてそんなに優しいんだ。
この街に来てから、私は泣いてばっかりだよ。




