翠と橙(みどりとゆず) vol.096 「ただいま戻りました~~。」フロアに橙。
午後5時過ぎ。ドアを開けて、
「ただいま戻りました~~。」
フロアに橙。
「お~~ほほほほ~~。帰ったか~~ゆず~~。」
尋音。
万美、
「よっ。お疲れ、お帰り。」
橙、
「チーフ。今、戻りました。」
翠、
「お帰り。」
そして、
「ほぃ。行ってらっしゃ~い。」
呉羽の方を指差して。
橙、
「はい。」
呉羽のデスクに、
「リーダー。今…戻りました。」
呉羽、
「うん。お帰り。お疲れ。」
「はい。」
そして橙、
「リーダー…???」
「…ん…???」
「ありがとうございました。」
「うん。はは…。…で…???」
橙、黙り込んだまま…。
呉羽…、
「はっ…???」
何故かしら、みるみる目を潤ませ…。
呉羽、
「えっ…???はっ…???」
仕舞には、目尻から涙。
呉羽、
「ちょっ…。ゆず…???」
そんな橙を近くから見ながらスタッフたち、
「ゆず…???」
橙、呉羽の机に右手を着いて、
「うっ、うっ…。」
呉羽、椅子から立ち上がり、橙の肩を…。
「ゆ…ず…。」
その途端、橙、
「あ~~~。」
いきなり鳴き声を…。
翠、万美、尋音、奈都、咲茉、
「えっ…???」
音羽に陽詩、
「おいおい、ゆず…???」
橙、
「緊張した~~~。」
そして呉羽になだれ込む。
そんな橙を抱きかかえて呉羽、
「へっ…???はっ…???」
そして、
「ははははは…。うんうん。頑張った、ゆず、頑張った。うんうん。」
橙の背中を叩いて、
「みんな、フレバー、OKだったみたい。ボス、教えてくれた。」
その瞬間スタッフ一同、
「凄―――――――――っ!!!!や~~~った~~。」
両腕を上げて。
「凄いよ、凄いよ。あのフレバー。ウチと~~。」
「ゆずも…何かしら、お手伝い…できたみたい。」
「イェ~~イ、ゆず~~~。」
尋音。
拍手しながら、
「良くやった、ゆず。」
橙に近づいて、橙の頭を撫でる翠。
「かかかか。うんうん。」
マネージャー室では敦哉、
「お疲れ、ヤマチ、ユッキ。」
千慧、
「なんとか…、お陰様で、短時間で、成立。」
「おぅ。」
そして、
「ゆずも…。ありがとうな。」
その声に千慧、
「もし…か…したら…、今回は…ゆずの…お手柄かと…。」
敦哉、
「ん~~???…ほぅ…。ゆず…???」
「え~~。」
「例の…???」
千慧、
「はい。」
薫郎、
「例の…???」
千慧の顔を見て…。
「あの…ある筋からの情報って…。実は、ボスよ。」
「田島川社長から電話で、今後とも…よろしく、と、連絡があった。ヤマチから連絡を受けて、1時間後だ。可愛く、素敵な企画開発さん…だと…さ。」
薫郎、
「……。」
「あっと、それから…、味の分かる営業リーダーで、喜んでいた。ユッキ。」
薫郎、照れながら、右頬を指でポリポリと、
「ありがとうございます。」
千慧、
「ただ…。」
敦哉、
「ん…???…ただ…???」
「ゆずが…。」
「ゆず…???」
テーブルの上で企画の通った自分のデザインを見てスタッフから励まされながらの橙。
千慧から橙の事を聞いて敦哉、
「はははは。ゆずが~~。緊張し過ぎて…、脚が…。」
「えぇ…。」
「まっ。無理もないだろう…。…でも、コバが、何としても、同行させてくれと、言ってたんでな。」
「けど、ユッキがいて、助かりました。私ひとりじゃ…。」
「ゆずを負ぶったと…。なぁ…、ユッキ。ありがとな。」
薫郎の右肩をトントンと叩いて敦哉。
薫郎、
「はは…いえいえ。」




