翠と橙(みどりとゆず) vol.083 「これって…。奈都だ――――――――っ!!!」
「えっ…???えっ…???」
そして翠、通路の棚の中から自分のバッグ。
その中からスマホを取り出して、また女性客に。
「すみません。」
女性客、
「はい。どうぞ…。」
「……と。これ…か…???…と…。」
壁よりのテーブルの男性客…。
「すみませ~~ん。」
絃、
「あっ。はいはい。」
「みど、上がったよ~~。2番さん。」
薫郎。
翠、
「あ~~。はいはい。」
スマホをパンツのポケットに。
そしてカップル同士の4人のテーブルに、
「お待たせしました~~。」
女性客、
「わは。この店員さんも可愛い~~。」
そんな女性に男性もニッコリ。
翠、ニッコリと、
「ありがとうございます。」
「ねね、あなた…この人…知ってる…???」
もう一人の女性客。
翠、そのスマホの画面を見て…。頭の中で、
「…わっ。さっきのとおんなじ。」
「私たち、これ見て、ここ…来たの。いやいや。凄い、美味しい~~。評判通り。ねぇ~~。」
隣に座っている無精髭の男性に。
「ん~~。まさか、この辺に、こういう焼き鳥屋があるなんて、知らなかった。」
翠、丁寧にお辞儀をして、
「ありがとうございます。ごゆっくりどうぞ~~。」
そしてまた隅の方に、そしてスマホを…。
「誰だ、一体…???」
すると…。
「えっ…???え…???…この…写真…。うわっ。ルッポラ…。」
そして、スワイプして、
「わっ。絃。そして…雅樂じぃ。わっ。え…???え―――――――――っ!!!!これって…。奈都だ――――――――っ!!!」
そして、
「凄っ。なに…この…いいねの数…。2000…超えてるし…。わお。店の玄関、めっちゃくちゃ綺麗に撮れてる。うそ~~~。はい…???コメント…100…超えてる…???」
と、その時、
「わっ。また増えた。」
大急ぎで薫郎のところに。
「ユッキ。雅樂じぃ、原因分かった。」
雅樂、
「え~~???なんでぃ…???」
薫郎、
「ふん…???」
翠、
「ユッキ、奈都、インスタにこの店、載っけてる。」
その声に薫郎、フライパンを揺らしながら、
「はっ…???奈都…???」
頭を傾げながら、
「なんで…???」
「あの子、ここに来てる、友達何人かと…。」
雅樂、
「へぇ~~。そうけぇ。ジェシカの社員かぃ。」
翠、
「うん。」
「けけけけ。ありがてぃじゃねぇか。なぁ~~。」
「ごちそうさまでした~~。」
真ん中辺りの客。
雅樂、
「おぅ~~。ありがとうよ~~。」
絃が急いでレジに向かう。
「ありがとうございま~~す。」
翠、
「お目当ては…。」
雅樂、
「ん~~???」
「絃。」
「ほぅ~~。かかかか。ありがてぃわなぁ。」
「かかかか。絃、大人気だよ。私も嬉しい。」
薫郎、
「かかかか。ある意味、奈都に礼…言わなきゃな。」
「うん。まさか…、ここ、SNSに投稿なんて、考えもしなかったから…。」
翠。
「あぁ…。普通に…客入りも…良かったしなぁ~~。雅樂じぃ、まさか…取材拒否なんて…。」
雅樂、そんな薫郎に、
「いや…、そりゃねぇな。…というより、今まで、受けたこともねぇくらいだ。かかかか。」
「…と言う事は…、これからは…。」
翠、
「ん~~。多分…。…あっ。絃~~。」
絃、小走りで翠に。そして翠、絃に耳打ち。
「え――――――――――っ!!!」
翠、
「うん。大人気になっちゃったよ。」
雅樂、
「かかかか。絃、天晴!!!!」
いきなり真っ赤になる絃。




