翠と橙(みどりとゆず) vol.073 橙、振り返る巽の右手に触れて、「あっ、ちょっと…。」
「飛香~~。頑張ってる~~???」
万美。
中々、まだ空気に慣れていない感じの飛香。
「あ…。あ、はい。」
「もしかして…、何かしら、緊張してたりして…。」
尋音、両肘をテーブルに、そして右手で頬杖を突くように。
少し顔を赤くして飛香、舌をチロリと出して、
「あ~~。はは。はい。実は…。」
「かかかか。かっわいいね~~。飛香も~~。」
翠。
「ゆずが、どうしても、飛香も誘いたいって。」
ゆずの顔をチラリと見て飛香。また舌をチロリ。
「飛香、男子ばかりの部署で、なかなか、ご飯一緒に食べる事って、ないでしょ。」
尋音。
飛香、
「えっ、え~~。」
万美、
「お~~い、そんなに緊張するな~~。」
翠、
「かかかか。」
「おまたせしました~~。生ピールになります~~。」
巽、テーブルに。
万美、
「おっと、来た~~。」
尋音、
「早~~い。」
にこやかに巽。それぞれにビールグラスを…。
そして…、
「あれ…???たの…んで…ないけど…???」
万美。
尋音も、
「うん。」
巽、
「うちの…店長からの…差し入れです。是非、どうぞ。」
「わ~~お。」
尋音。
「うっれしい~~。」
万美。
翠、万美、尋音。そして橙と飛香は後ろを振り向いて、
カウンターにいる珂帆にお辞儀を。
珂帆も同じくにっこりと。そして手を振り。
万美、尋音、音の出ない拍手。
「席もこんなに素敵なのに、サービスまで…。」
万美。
「ひょっとして…。これって…ゆずに…感謝…???」
にっこりと尋音、橙の顔を見て。
橙、
「いやいやいや。私なんて、そんな…。」
巽、一礼をして、
「どうぞ、ごゆっくり。」
その時、橙、振り返る巽の右手に触れて、
「あっ、ちょっと…。」
巽、
「…ん…???」
橙、
「いきなりで…、ごめん。」
そんな橙に巽、
「えっ…???いやいや…。うん。」
橙、左手を左斜め前に、
「こちら、チーフの逢坂翠さん。」
いきなりの紹介に巽、そして翠も、
「!!!!」
巽、少しだけ、口の中の物を飲み込み、けれども、
「いつも…お世話になっています。よろしくです。」
翠も、軽く会釈して、そして、丁寧に、
「逢坂と申します。木葉さんがいつも…。ありがとうございます。」
巽、
「ご丁寧に、どうも。」
橙、
「そして、こちらが、泉水江万美さん。」
万美、
「は~い。いつも、ありがとね~~。」
巽、にっこりと、
「ども。」
「そして、私の隣が、帯刀尋音さん。」
「その節は幹事、お疲れさまでした。」
またにっこりと。
尋音、
「わぁ~~。覚えてくれてたんだ~~。嬉しい~~。」
巽、
「それが、私どもの仕事ですから…。」
「そして、私の左隣のこちらが、営業の鑑飛香さん。」
巽、
「こんにちは。」
飛香、
「よろしくお願いします。」
それぞれの顔をもう一度確かめるように巽、にっこりと一礼をして、
「ごゆっくりどうぞ。」
そして万美と翠、ほぼ同時に、
「店長に…お礼…お願いします。」
万美、翠、お互いに顔を見合わせて、
「あっ。」
そして、
「はは。」
巽、
「はい。畏まりました。」
「さて。よ~~し。んじゃ、乾杯しよっか。」
尋音。
4人、
「うん。」
そして静かに、グラスをカチン。
「かんぱ~~い。」




