翠と橙(みどりとゆず) vol.071 橙、顔を少し低くして、「ルッポラ…行きません…???」
そして、数日後の夕方6時、
「みんな、お疲れ〜〜。」
翠。
スタッフたち、
「い〜〜よ〜〜っと。ふぅ。」
「ようやく…。ここまで…。へぇ〜〜。」
「一息…着いた〜〜。」
「まずは一件落着〜〜って。」
呉羽、
「お疲れ〜〜。」
万美、
「後は何とか、お願い。…って感じだね〜〜。」
「ふ〜〜。さて、みど…???」
尋音。
「雅樂じぃ…???」
向かい席から…。
そんな尋音の声を聞いて、翠、パソコンの画面を見ながら、
「うん、良いねぇ〜〜。」
その瞬間、橙、
「あっ。あ~~。あ~~。あの…。」
翠、
「ふん…???ゆず…???」
万美、自分の椅子をスライドさせて橙の椅子に。
そして、橙のオデコにペン先を、トン。
「かかかか。何なのよ、その、あ~~、あ~~の、アップダウン…???」
その万美に目をパチクリの橙、顔を少し低くして、
「ルッポラ…行きません…???」
その声に万美、翠に顔を向いて。そして尋音に…。
口を尖らせて尋音、
「ふん…。」
翠、
「ふん。ルッポラ…。か。」
視線を万美、尋音に…。
2秒経過。
「ふん。いいんじゃない…。たまに。」
その声に万美、
「ふん。いいかも~~。」
尋音、
「んじゃ、決定~~。」
音の出ない拍手、橙、
「あ…。あ~~。あの…。」
万美、
「かかか、どうした~~妹よ。」
「かかかか。いいね~~。その、妹よ。」
尋音。
翠、
「いもう~とよ~~。ふすま一枚~。」
万美、
「はっ…???なに…それ…???」
翠、
「知らない…???妹よ。かぐや姫。」
万美、
「いやいやいや。知らない。知らない。何…???かぐや姫…???」
尋音を見て…。
尋音、
「いやいやいや。私を見ないでよ、万が知らなくってなんで私…???」
翠、腕組みして、顔を傾げて、
「おっかしぃなぁ~~。前、雅樂じぃ、仕込みしながら良く歌ってたけど…。」
万美、
「は…ぁ…???」
「それから、あなたは…もう…忘れたかしら…。」
尋音、右手を振って、
「いやいやいや。全く分かんないから。」
翠、
「神田川。」
橙、
「あの~~。」
万美の前にスマホの画面。
万美、
「…ん…???かぐや姫…。う~~わ。ほんと。男性3人グループ。いるんだ~~。」
そしてそのスマホを橙から取り上げて万美、
「…ん…???」
そして、
「お~~~い。1970年代に活躍したフォークグループ~~。」
翠、
「うそ。」
尋音、
「かかかか。私たち、まだ生まれてない~~。」
万美、
「雅樂じぃ。…古っ!!!!」
そして、
「まっ。しゃあない。みども…こう見えて、意外とミュージック、疎いから。」
「うんうん。私たち、殆ど教えてるからね~~。カラオケのみど、見てれば。うん。」
腕組みして頷いて尋音。
翠、左腕をまっすぐに突き出して、
「そこ、うるさいよ。」
その声と同時に、こちらも腕組みして頷く万美。
そんな風景に、
「かかかかか。」
橙。
翠、いきなり机の上になだれ込み、
「うっうっ。どうせ…。」
万美、
「あ~~。尋~~。チーフ泣かせた~~。」
尋音、変顔して、
「いやいやいや…なんで…???」
ガバッと、顔を上げて翠、
「…で、ゆず…。どした~~???」
万美、そんな翠を見て、いきなり体をのけずらせて、
「お~~。」
「飛香…ちゃんも…一緒に…。」
はにかみながら。




