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245/259

翠と橙(みどりとゆず) vol.245 翠、泣きながら、「雅樂じぃ。」

雅樂の話をじっと聞いている翠と薫郎。

翠、薄っすらと目を潤わせ。あちらこちらを…。


そして雅樂、

「分かったぃ。…んなだったら、悪ぃが、みど。俺ぁ、遊馬ってヤツとのこれからは、反対する。とっとと、そいつと一緒にアパートでも、なんでも借りろぃ。」


翠、

「……雅樂じぃ…。」

零れる涙を拭いながら…。


「ただな。悪ぃ~が、今後、ここに来る事ぁ、許さねえ。店にも、これからは、来るなっ!!!」


その声に翠、泣きながら、

「雅樂じぃ。」


薫郎、

「雅樂じぃ…。」

少し、間を置いて、

「それは…。幾ら…なんでも…。無理だろう~~。…それに…。もし仮に、そんな事んなったら…。」


話す薫郎に雅樂、

「なんだってんだぃ。」


薫郎、

「考えても…みてくれよ。そんな事になったら…。もし…みどが出てって…。それにこれからこの店にこなくなったら…。…と同時に、万や尋、それに飛香もゆずも…、この店、来れなくなるって事だぜ。…って、事は、俺とゆずの事も…認められないって事と…、同じじゃん。」


薫郎の話を聞いて雅樂、

「それの…、何が悪ぃ。逆に、客の入りも…落ち着くわ~~な。」


その瞬間、いきなり翠、口を押えて、その場から立ち上がって、茶の間を出て、階段に…。


薫郎、

「みど…。」


雅樂、また再び新聞を見ながら…、

「……。」


薫郎、やり切れない風に、

「…ったく、もぅ~~。」

そして翠の後を追い掛けるように…。茶の間の戸を閉めて、

「みどっ!!!」


雅樂、

「けっ。どいつもこいつも…。へぇぇぇぇ。」

急須の蓋を開けて、ポットからお湯を。そして湯飲みに入れてグイッと。

「あち。ちぃ~~。」





ベッドに大の字でうつ伏せのままの翠。


薫郎、

「みど…。」


翠、

「う~~~。」


「飯にするか…。」


数秒後、翠、

「ねぇ…。」


「うん…???」

「雅樂じぃ…、本気なのかな…???」


「本気って…???」

「隣の事…。」


「…って言うか…、現に、隣、雄さんたち…。いないんだから…。」


「うん。」

むくっと起きて翠、

「でもさ…。親でもないのに…、そんな…。あの家って、どんだけすんの…???」


「…どんだけって…。そりゃあ~~。前っからの家で…。でも…駅が近くって…。…とは言え…。まだ…新しい…し…。2000万は…下らないって…。思うんだけど…。」


そんな薫郎の話に翠、

「に…2000万…。」

その瞬間、翠、

「とほほほほほほ…。そんな家に…。」



冷蔵庫から野菜を、薫郎、

「まっ、地方じゃ…ないから…、都内…。中古でも…、やっぱり…。」


翠、下唇をベロンと…。

「なんで雅樂じぃ…、そんな家…買うかな~~。」


薫郎、キャベツと人参、そして茄子を持ちながら、

「そりゃ…、みどと、一緒に…暮らしたい…から…。」


翠、

「もぅ~~。これ以上、雅樂じぃに、世話になりっぱなしじゃ…。…って、思って…。…ユッキだって、私がここ、出てったら、ゆずと…。」


そんな翠の声に薫郎、

「ん…。ん~~~。行く行くは…。そう…思って…。」


翠、両手で顔を覆って…。


「遊馬君に…、話してみたら…。」


翠、

「…うん。」



野菜を刻んでいる音を聞きながら翠、スマホを耳に、

「あっ。ユウマ…。」


スマホの向こう、巽、

「ふん。みど。どしたの…???」


翠、

「実はさ…。」


そして、今までの経緯を話し始める。


巽、

「えっ。え~~~~。」


「そういう…訳…なの…。」

「いやいやいや。そういう話に…。」


「うん。なってる。」









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