翠と橙(みどりとゆず) vol.241 「あ~~。だめだ、ユッキ、どうなってんだ、みどっ!!!」
更に…1週間後。
雅樂、少し店の客が落ち着き始めて…。
「あ~~。だめだ、ユッキ、どうなってんだ、みどっ!!!」
テーブルを拭いていた絃、
「雅樂じぃ。」
薫郎、
「雅樂…じぃ…。」
「おめぇが、みどと、最近、変だってんのは、分かってんだ。」
「雅樂…じぃ。」
「なんか…、俺に隠してねぇか…???」
そして、
「それとも…、俺には言えねぇ事か…???」
絃、カウンター越しに。
店の客、
「ふん…???絃ちゃん、何かあった…???」
絃、
「あっ、ごめんなさい、平さん。」
「まっ、雅樂じぃの事だから…。」
そして、雅樂に向かって、
「雅樂じぃ、あんまり熱くなんなよ。血圧上がるぞ。」
そんな客の声に、
「分かってらぃ。黙って、喰ってろ。」
「へ~~い。絃ちゃん、生。」
絃、
「はいはい。」
薫郎、唇を絞って、手を洗って。
「ふん。まっ。いつかは話さなきゃって…。…って、言うか、俺も、みども、悪かったんだ。雅樂じぃに、黙ってて…。」
雅樂、
「なんでぃ…???」
「雅樂…じぃさ…。俺と…みど…。前と…違うんだ。」
雅樂、
「…は…ぁ…???」
「ま…ぁ…。一緒に…生活は…している…けど…。その……。好き…とか…。愛してる…って…いうのは…。」
雅樂、その声に、
「な…、なんだって…。」
「もぅ…、俺とみど…。同棲は…してる…けど…。…でも…、このまんま…なんだよ。」
そんな薫郎に雅樂、
「何言ってんだ、おめぇ…???」
「だ・か・ら~。……。う……ん。みどと…俺には、お互いに…、好きな人…いる…って…言うか…。出来たって…言うか…って…話。」
雅樂、目をキョロキョロとさせて…。
絃、右目を閉じて、頭の中で、
「…言っちゃった~~。」
雅樂、また、
「な…、何言ってんだ、おま…。…じゃ、じゃ…、みどとおま…。これから…先。」
そんな雅樂に薫郎、
「う…うん。…結婚は…。ない…かも…。」
その瞬間、雅樂、一気に力を落として、耳を掻いて、
「そう…けぇ。」
絃、
「雅樂…じぃ…。」
薫郎、
「雅樂…じぃ…。」
雅樂、ねじり鉢巻きを頭から外して、
「はぁ…。そうけぃ。へぇ~~。そうけぇ。」
薫郎、
「雅樂…じぃ…。」
雅樂、
「…そういう…事…けぇ~~。あんあんあん。大したもんだ。あん。」
そして、
「絃~~。けけけけ。めでてぇな~~。」
絃、
「へっ…???あ…、あの…、雅樂じぃ。」
「こいつら、お互いに、好きな人…、出来たんだとよ。かかかか。めでてぇ~~。あ~~。」
そしてまたねじり鉢巻きをして焼鳥を焼き始める。
「平さん。」
客、
「ん~~。」
生ビールを飲みながら…。
「ユッキとみどに、好きな人が出来たってよぉ。」
客、
「へぇ~~~。」
と、言って、いきなり、
「ぶっ!!!!」
そして、
「うそだろ!!!おぃおぃ。ユッキとみどって、この先、結婚すんじゃ…。」
雅樂、
「けけけけ、めでてぇじゃねぇかぁ~~。え~~。」
笑いながら、
「ユッキとみどに…、好きな人が…出来たって…。」
そして薄っすらと目を潤ませて。
「めでてぇ、めでてぇ。かかかか。」
いきなり鼻を押さえる。
「おっと、いけねぇ。」
薫郎、
「雅樂じぃ…。」
そんな雅樂を見て、絃、
「……。雅樂…じぃ。」
そして、そんな雅樂を見ている薫郎を見て、
「ユッキ…。」
薫郎、雅樂の後ろ姿を見ながら、頭を掻いて、
「ふん。」
また洗い物を…。
夜9時。翠、帰宅して店の方に…。
「ただいま~~。」
厨房に入って…。
雅樂、頭も上げずに、
「おぅ…。」
小さな声で…。
翠、
「えっ…???」
薫郎、翠に振り返って、
「おかえり…。」
こちらも小さな声。
翠、絃を見て…。
絃、翠に振り返って、顔を左右に小さく…。




