翠と橙(みどりとゆず) vol.240 「かんぱ~~い。ゆず~~。おめでとう~~。」
その1時間後、ベッドで抱き合いながらの翠と巽。
翠のスマホにライン。
翠、
「…ん…???誰…???」
巽、
「ふん…???」
ベッドから降りてバッグの中のスマホ。
「わっ。絃。…彼と会って、話して…。お付き合い…しようと…思う。」
その瞬間、翠、両腕を高らかに、
「やった―――――っ!!!」
巽、
「みど…???」
「うちの看板娘。」
「あぁ…。確か…、鏑木…絃…ちゃん。」
「うんうんうん。今日、ルッポラで、初デート。付き合ってみるって~~。」
「へぇ~~。ほんと~~。はははは。」
「それにしても…、みどが、俺の部屋…、知ってるなんて…、驚いたな~~。」
ベッドの巽。
カーディガンを羽織ったままの翠、
「ふふ。教えたげようか~~。」
テレビを観ながらバラエティ番組に大笑いの雅樂。
「けけけけ。」
徳利から御猪口に。
「おっと、ねぇか…。」
その時、電話が鳴る。
「誰でぃ、こんな時間…。」
そして電話に出れば、
「おぅ~~。雄ちゃん。」
そして話を聞きながら、
「そうけぇ、そうけぇ。まっ、しゃあないわな。寂しくは…なるけどよ~~。」
そう言いながらも雅樂、
「ん…???雄ちゃん。…ちょっくら…話…あんだけどよ…。」
午前8時20分。
「ヤバイ、ヤバイ、遅れる、遅れる。」
階段をドタドタと翠。裏玄関、いつもの場所に、いつも通りの弁当。
「雅樂じぃ、行ってきま~~す。」
部屋の中で雅樂、
「おぅ。気ぃつけてな~~。」
「は~~い。」
雅樂、
「けけけけ、ユッキいないと、すぐに寝坊だぁ。」
そんな風に思って…。けれども…、
「…ってか、あいつ…夕べ、何時に帰ってきた…???確か…、夜中…???」
そして2週間後、雅楽のカウンターで、
「かんぱ~~い。ゆず~~。おめでとう~~。」
お馴染みのメンバーで…。
橙、
「ありがとうございます。」
橙のデザインが商品化され、販売されたのである。
雅樂、
「ゆずちゃん、めでてぇな。」
橙、
「うん。ありがと。」
「それに、ここにも、通ってくれてて、ありがとよ。」
橙、そんな雅樂に、
「いえいえ。どういたしまして。雅樂さん、大好きですから。」
「けけけけ。嬉しい事、言ってくれるよ~~。なぁ~みど、万、尋、飛香ちゃん。」
それぞれが、
「うんうん。その通り。」
その時、翠のスマホに着電。
翠、
「あっ。…ちょっと…ごめん。」
そして席を外して裏の方に…。
雅樂、
「なぁ~~、万、尋…。」
万美、尋音、
「うん…???」
「あいつ…、最近、少し…様子、変じゃねぇか…???」
そんな雅樂に、万美、
「え~~~。いや…別に…。」
尋音、
「なんで…???」
「どうも…可笑しい。帰りがいっつも、遅~ぇんだ。…、いやいや、おめぇたちと一緒の時とは…別に…。」
万美、尋音、キョトンとした顔をして、
「…???」
「いくらなんでも…ユッキから聞く訳には…。」
厨房で料理をしている薫郎に聞こえないように。
その時、いきなり尋音、
「ぷっ。」
そんな尋音の左腕を右手でペン、万美。
万美、
「雅樂じぃ。みど、もう~25になるんだよ~~。そんな、いちいち、大人の女の事…。」
雅樂、
「ん~~な、事、言ってもよぉ~~。一応…こちとら。」
万美、
「はいはい。雅樂じぃは、しっかりと…みどの父親代わりです~~。」
尋音、そんな万美の声に、
「うんうん。そうそう。」
雅樂、
「けっ。な~~に言ってやがんでぃ。」
翠、席に戻って、
「ごめん、ごめん。ふん…???何の話…???」
万美、
「ん~~。ふふふ。なんでも…。うん。」
にこやかに。
雅樂、少し口を尖らせて…。
翠、
「ふん…???そっ…。さて。ゆず~~。もっかい、乾杯~~。」




