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232/259

翠と橙(みどりとゆず) vol.232 翠、そのままチャームを目の前で揺らして見て、「可愛い…チャーム。」

ベッドの上で、右に左に体を動かす翠、その動きに翻弄される薫郎。

そしていよいよベッドから抜け出し、薫郎に、

「あっかんべぇ~~。」

と言いながら部屋の中で立ち、次の薫郎の動きを予想する。

「ふふふ。」


薫郎、笑顔で、

「こいつ~~。」


翠、またもや、

「べぇ~~~。」


ベッドの上を大股で歩きながら…、そして部屋中駆け回る翠を追い駆けまわし、ようやく…。


翠、

「ひぇ~~。参った~~。」


後ろから翠を抱き締めるに、翠の右手を掴んで薫郎、

「ふぇ~~。ようやく捕まえた~~。」


翠をしっかりと抱き締めて。


翠、

「きゃっははは。はいはい。参りました~~。」

と、言いながら、体を反転させて、そのまま、ベッドにド~~~~ン。


薫郎、

「がっはははは。うそだろ。…潰れちまうだろ。かかかか。」


ベッドの上で、翠の下敷きになっている薫郎。

翠の膝から大腿、そしてお腹、脇の下をくすぐりながら…。


翠、

「きゃっはははは。くすぐったいってぇの~~。」

と、言いながら、薫郎の上で体をバタバタと。


薫郎、左手を翠のお腹、そして右手を翠の右胸を抑えたまま。


翠、

「いよっ。と。」

無理やり薫郎の体の上から回転させて、薫郎の左側に。


薫郎、

「重てぇ~~。」


翠、

「かかかかか。」


薫郎、

「ひゃ~~。」


翠、そのままチャームを目の前で揺らして見て、

「可愛い…チャーム。」


薫郎、

「うん。阿川さん…。」


「うん…???フレバーの…???」

「うん。」


「仙台で、入院した…、次の…次の日だったかな…。」


翠、薫郎を見て、

「うん。」


「ゆずが…、俺の…目の前で、渚沙さんから…買ってもらった。…って、そのチャームを…。」


翠、

「ふ~~ん。」


「初めての場所で、全く何もわからない。そんな場所で…。しかも、入院の俺。不安いっぱいで、心細いだろうって。…少しでも、気分和らげばって、阿川さん、ゆずには仔馬のチャーム買ってあげたんだ。そしたら、今度はゆずから…。それを…俺に。」


「ユッキが、これ…もらった…。」

「うん。それも…阿川さんが買ってくれたんだって。」


翠、また、

「ふ~~~ん。」

そして、

「あっ。もしかして、さっきの…。」


薫郎、

「うん。忘れ物。ゆずが座っているテーブルの下に、落ちてた。…なんだか、光るものが落ちてると思ったら…。」


翠、

「そっか。だから…。」


数秒、沈黙。


そして翠、いきなり右の薫郎の顔を自分の方に向けて、両手で、薫郎の顔を抑えて、

「ユッキ…。」


薫郎、そんな翠の顔を見て、

「うん…???」


「ゆず…、頼んだよ。」


その声に、少し黙って薫郎。


翠、今度は、

「こ~ら~~。」

そう言いながら、右手の甲で薫郎の胸にトントンと。


薫郎、

「はいはい。分かりました~~。」

そう言いながら翠の顔の方に近づき、翠の顔の上で、2秒ほど。


翠、潤む目。そして小鼻が赤くなり。

「なんだよ。ユッキ。」

そして目尻から涙。けれども目を閉じることなく。


薫郎、

「なんでもねぇよ。」


翠、

「へっ。へへへへ。」

そして…、鼻から出そうな鼻水をこらえるように…。

けれども、自然に鼻の下に左手を。


その左手を外して薫郎。


「けけけけ。」


と、笑いながらの翠の口を包む込むように薫郎は唇を合わせる。


翠、

「ん~~~。」


自然に、薫郎の左手は、翠の右胸を愛撫するように…。


翠、

「あ……。」






深夜、0時03分。スマホにラインの着信音。

「へっ…???誰…今頃…???」

そしてスマホの画面を…、

「へっ…???奈都…。…って~~。みどの…ジェシカ…???…ん~~???」

頭を傾げる絃。








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