翠と橙(みどりとゆず) vol.221 珂帆、「いえいえ。大歓迎。それに…。」
カウンターから出て来て珂帆、
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」
翠、
「ごめんなさい、店長。ちょっと…、人数…。」
困ったように話しかける翠。
珂帆、
「いえいえ。大歓迎。それに…。」
テラス側の席に手を。
後ろを振り向いて翠たちにお辞儀をする巽。
呉羽、そして千慧、
「おや。」
流歌、右手を挙げて。
巽、
「ははは。草島さん…。」
薫郎、
「……。」
寺崎、
「ほぅ~~。彼が…ユウマ…くん。東京駅で…倒れて…、脳梗…。」
そこまで言って、いきなり寺崎の右脇を左肘で思いっきり突っつく流歌。
寺崎、
「痛って…。」
その途端、呉羽、
「ぷっ。大丈夫ですか~~、寺崎室長~~。」
寺崎、体をよろめかせて…、
「かかかか。大…丈夫…です。ははは…。」
流歌を見ながら。
「…ったく…。」
千慧も、
「えっ…???室長…???」
寺崎、右手をひらひらと…、
「OK。OK。」
流歌、
「んもぅ~~」
寺崎、
「悪ぃ、悪ぃ。」
柴乃、ここでようやく、長テーブルを2つ、並べながら…。
「確か…、12名様で…。」
翠に。
翠、
「はい。お願いします。」
呉羽、
「ふふ。万と尋…???それに…。」
「はい。流歌さんと一緒に食事したいって。そして、ゆずと飛香。」
流歌、そんな翠の声に、
「ありがと。」
そして、
「景色~~。いいね~~。ねぇ。」
寺崎の右肘を突いて。
寺崎、
「あぁ。うん。なかなか。」
巽、
「ありがとうございます。」
寺崎、
「えっ…???」
流歌、
「ユウマさん…。ここ…仕事場なの。」
薫郎、草島と言う女性から、ユウマと言う名前を聞いて、チラリと翠を…。
翠、
「流歌さん。是非、遊馬さん…会いたいって…。」
呉羽、
「ユウマ…???」
千慧の顔を見て…。
千慧、首を傾げて…。
流歌、
「あ…、ごめ~~ん。」
両手を合わせて翠に…。
翠、そんな流歌に、左手をひらひらと。
「ううん…。良いのよ。うん。」
そして、ここにいるメンバーに公表するかのように…、
「私…。遊馬さんとは、昔…って言うか…、10年前に一度、会ってるの。」
そして、頭を掻くように、
「あっ…。いや…。一度って感じじゃ…、なくて…。数…週間…???」
そんな翠の話に、巽、コクリと…。
その瞬間、呉羽に千慧、目を真ん丸く、
「へっ…???」
「うそ…。」
巽、
「実は…、病院で…。」
千慧、
「病院…でって…???」
呉羽も千慧の顔を見て。
何かしら、慌てたような感じの呉羽と千慧。
千慧、薫郎の顔を見て。
薫郎、口を一文字に、ニッコリと。
呉羽、
「へっ…???」
口を尖らせて流歌、隣の翠を見て。
翠、そんな流歌にニッコリと。
寺崎、
「まま。とにかく、出会いの印に、美味しいもの…、頂きましょう。」
語尾を強めて。
「すみませ~~ん。」
左手を挙げて。
柴乃が近づいてくる。
「はい。お決まりでしょうか。」
寺崎、
「僕は生なんだ…けど~~。みなさんは…???」
千慧も呉羽もにっこりと、
「うんうん。私も。」
翠も流歌も頷いて。
薫郎、
「僕も…それで…。」
「杉浦君、思いのほか、ルッポラ、来てくれて。」
笑顔で巽。
薫郎、
「うん。だよね~~。」
巽、
「ありがと。」
そんな巽に、
「いえいえ。とにかく、良い店だよ、ここ。」
にっこりと巽。
「うん。」
「では。みなさま。全員、生と言う事で。」
寺崎。
そんな寺崎に流歌、
「かかかか。何そんなに張り切ってんのよ。」




