翠と橙(みどりとゆず) vol.220 「以前から、逢坂さんと約束してて…。」
それから大凡1時間少々。
寺崎、
「いやいや。全く…。」
頭を掻きながら、
「ヤマチさんには…敵いませんね。」
千慧、
「と~~んでもない。」
呉羽、
「ははは。これだから、この仕事は…辞められない。」
流歌、
「その通りで…。」
ニッコリと。
ドアをノックして、
「失礼します。」
飛香である。
「お茶のお代わりでもと…。」
寺崎、
「あっ。おっと。すみませ…。」
ふと、自分の腕時計を見て、
「わお。こりゃ、随分と、話…込んじゃって…。」
そして、隣の流歌の左二の腕を突いて、
「おい。もう…こんな時間。」
流歌も自分の腕時計を見て、
「わっ。」
そして、
「すみません。」
千慧、
「いえいえ、私どもは…。」
「これから…、ひとつ、お約束のところがありまして…。」
寺崎。
呉羽、
「あ~~。はいはい。」
「その…あと一件、済ませて、それから…。」
寺崎。
呉羽、千慧、
「あ…はい…???」
流歌、
「すみませんけど…。以前から、逢坂さんと約束してて…。」
千慧、
「あ~~、あ~~。…はい…???みど…???」
翠、
「えぇ…。ははは。」
何やら照れくさそうに…。
薫郎、
「みど…???」
「そんな…訳で…。ごめんなさい、店長。」
電話で翠。
「うんうん。OKよ、大歓迎、20人でも30人でも…。」
と、そこまで言って…、
「かかかか。30名は…ちょっと…無理だけど…。」
にこやかに珂帆。
寺崎と流歌、一件の取引先との要件を終えて、また再び、ジェシカのゲストルームに。
翠、
「お待たせしました。参りましょうか。」
寺崎、流歌、
「はい。」
翠と呉羽、その後ろから寺崎と流歌、その後ろに千慧と薫郎、玄関からタクシー2台で。
その5分後に、
「行こっ。」
万美。
尋音、
「うん。ゆず。」
「はい。」
橙。
「飛香ちゃ~~ん。」
振り返ると…。
「はい。飛香、ここに。」
飛香。
万美、
「良し。」
その頃、ルッポラには、
「お疲れ様です。」
巽である。
珂帆、
「あら。早かったわね~~。これから迎えに行こうって思って…。」
巽、
「いえいえ。とにかく、体、どんどん慣らさないと。それに、アパートではひとりですから…。」
珂帆、
「うん。でも、無理は禁物。甘えられるときは、甘えて。」
巽、その珂帆の言葉に、
「ありがとうございます。」
「逢坂さんたち、もうすぐ見えるから。」
「はい。はははは。草島さん…、久し振りだな~~。」
「なんだか…、ロンド…かなり、縁…あるね~~。」
腕組みしながら珂帆。
巽、
「へっ…???」
「ロンドの社長秘書に、私の姉の大学時代の同期、いるの。」
「へぇ~~。こりゃ、初耳~~。」
「ほら、以前、院瀬見さんたち、逢坂さんたちの後に店に来たこと…あったでしょ。」
「はいはい。覚えてます。」
「あの時の女性のひとり。彼女、社長秘書よ。」
巽、記憶を辿って…。
「あ~~、あ~~。知ってます。知ってます。あっ。そっか~~。」
珂帆、
「ふふふ。はい。適当に座ってて。」
「ありがとうございます。」
「おっと、巽が来てる。ヨッ。」
柴乃である。
「柴乃さん、お疲れ様~~。」
柴乃に右手を挙げて…。
柴乃、
「休憩してた。…なんだか…これから、ジェシカの人たち…???」
「うん。逢坂さんから、ライン来て。来るようにって…。」
「ふん…、逢坂さんから…。ふん。ふんふんふん。…んじゃ。」
その時、ドアが、
「ス―――ッ。」
店のスタッフたち、
「いらっしゃいませ~~。」
翠、呉羽、千慧、
「こんにちは~~。」




