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翠と橙(みどりとゆず) vol.215 「ここから見る景色って…。結構…好きなんだわ…。」

「…って言うか、なんでここで、話す~~、みど~~???」

尋音。


隣の席で、下唇をビロンと、何かしらやるせない雰囲気の万美。

ルッポラのテラス席である。


「ん~~???…ふん。な~~んか~~。この雰囲気の方が…いいかな~~って。しかも…ここから見る景色って…。結構…好きなんだわ…。はははは。」

翠。


万美、

「…ったく、なんで…???」


尋音、

「私も電話で聞いて、び~~っくり~~。まさか…、マジで、ユッキとも…話した…なんて…。…しかも…。ユッキも…ゆずを…。」


翠、

「な~~んかね~~。知らない間に、そんな方向になっちゃってた。」


万美、

「エッチ、し損なっちゃったんだって。」

テーブルに両腕を。その上に顔を埋もれさせていた万美が、いきなり顔を起こして尋音に。


尋音、

「うそ…???」


翠、

「万~~~。」


万美、

「はいはい。…で…???」


翠、

「…で…???…で…???何…???」


「…いや…。何って…???…こうなっちゃったから…、これからどうしよ…???…って言う…、そんな話じゃ…ないの…???」


唇をムニュー~~っと、丸く尖らせての尋音。

「ふん…。私もそう思った。」


翠、そんなふたりを見ながらにっこりと。

「ふふん。」


万美、尋音、

「はっ…???」


翠、

「違う、違う。」

右手を振りながら。

「多分…、前みたいには…。…って言うか、今までとは、スタイル…違ってくるよ。」


万美、

「どう…するよ…。」

そして、

「私は…電話でも言ったけど、みどが、ユッキと別れるのは…絶対にイヤ!!!」


尋音、

「うんうん。私もヤ。そんなの…。」


「いいじゃんよ~~。ユウマがゆずの事、好きで。ゆずもユウマの事、好きなんだから~~。別に、そんなふたりを無理やり引き離さなくとも~~。」

右手を前後に振りながら万美。


尋音も、

「そうだよ、そうだよ。今まで通りでいいじゃんよ~~。やだよ、ユッキとゆず…。みどとユウマ。どうも…しっくりこな~~い。」


そんなふたりに翠、

「いやいやいや。万と尋の言い分、気持ちは…良~~く、分かる。分かるんだけどさ。ユッキも私に…、ごめん、みど。って…言ってるんだもん。仕方ないよ。」


尋音、

「分かった。」

そう言って、スマホで、

「ユッキの電話番号…。」

そしてコールはするが…、全く電話に出る気配がない。

その内、尋音、顔をぐしゃりと。

「…出な~い…。」


翠、

「出る訳ないでしょ。」


万美、

「ユッキも、言われる事…分かってるかんね~~。」

髪を撫でながら…。


翠、

「万、あんた、納得してんじゃない~~。」


その声に万美、慌てて、

「あっ、あっ。あ~~~。もぅ~~。今のは、ほら、もぅ~。タイミング的に~~。そんな話になって、ユッキがたまたま…。」


翠、

「どっちにしても、ユッキ、出ないよ。今、市場に、仕入れに行ってるから。」


尋音、

「……。」


「前ね、市場に仕入れに行ってるユッキに連絡したくて電話したら、いきなり怒られた。」


万美、

「へっ…???」


「大事な仕入れしている最中だから、電話掛けてくんなって。」

「へぇ~~。」


「店に帰ってきて、仕事の話と、店関連の話の電話しか…出ないって、怒られた。」


尋音、

「わ~~お。」


「お客さんに出す料理。しっかりと…最初っから、吟味しておかねぇと。…な~~んて、私…言われたら~~。料理できない、私…、言葉、返せな~~い。」


その瞬間に、頭を前に揺らしながら万美、

「はいはいはいはい。その通りで。」





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