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翠と橙(みどりとゆず) vol.207 「しっかし…ユッキ、体…大丈夫なの~~???」

「しっかし…ユッキ、体…大丈夫なの~~???」

ベッドの上で雑誌を見ながら翠。


ようやくシャワーを浴びて、冷蔵庫から缶ビール。そして一口グイッと。

「だ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ。…けど、しっかし…、あの4人がいるとは驚いたね~~。」

髪をバスタオルで拭きながら、

「ふぇ~~。スッキリした~~。」


「璋子も、咲茉も、ユッキの料理している姿、見たかったんだって。」

「へぇ~~え。」


「それに、ゆずも、ユッキの料理している姿、見たかったて…。」


「ふ~~~ん。」

そして、また一口ビールを。

「それにしてもさ。いきなり目に飛び込んできた遊馬君。びっくりしたね~~。」


翠、

「うんうんうん。私も。いきなり入ってきたから…。まさか…、退院して、その日に来るとは…。」


「まっ。退院しての、お礼を込めて…、かも…知れないけど~~。」

「ふん。雅樂じぃも、そう言ってた。」


「ありがたいよ。」


そんな薫郎の声に翠、

「へっ…???」


「いや…。これは…、ほら、体、悪くして、病院で入院してて…。」

「うん。」


「毎日、病室に来てくれる。そんな人の事思ったら、感謝しかないよ。」


翠、

「ユッキ…。」


「みどだって、遊馬君、かなり感謝してんじゃないのぉ~~。…それ言ったら俺だって…。」


その声に翠、

「ゆず…???」


「ん~~。ゆずもそうだけど、フレバーの阿川さん。とにかく感謝しかない。毎日、ホテルから会社、そして帰りは病室、そしてホテル。2週間ずっと。まっ、阿川さんの場合は…、ゆずに足がないから…。」


翠、ベッドの上で、両足を交互にバタバタと。


「みどだって、そうじゃん。」

胡坐の左脛に左手をやって、右手で缶ビールを、そしてまた一口。

「遊馬君、一緒にいてて、いきなり倒れて脳梗塞。それからというもの、毎日、仕事終わったら、遊馬君にお見舞い。俺が仙台で入院してたとき、そうだったんだろ。」


そんな話に翠、

「う…、うん。」


「それが…普通なのかも…しんない。…仮に俺だって、好きな人がそんな風になったら、いてもたってもいられないから。」

「えっ…???」


「みどにも、ゆずにも…、感謝してる。うん。」

そして、にっこりと笑う薫郎。


翠、照れくさそうに、

「ユッキ…。」


「…でも、ゆず…。あいつ…大丈夫かな~~???」


そんな薫郎に翠、

「えっ…???」


「あいつ、遊馬君の事…好きなんだろ…。」

「う…うん。」


「…でも、遊馬君のおかあさんには…なんだか…嫌われているような…。」


翠、

「へっ…???ユッキ、なんでそんな事…???」


薫郎、

「へっ…???あっ。いや…、こういう仕事してると、どこからともなく、だれからともなく、聞こえてくるんだよ。」


翠、小さな声で、

「えっ…???はっ…???…どっこらそんな話…???洩れた…???」

しかめっ面の翠。目をキョロキョロと。薫郎の顔を見て、

「えっ…???はい…???」


薫郎、

「かかかか。な~~に般若のような顔、してんだよ~~。」


いきなり翠、ベッドからバッと降りて、薫郎の前にデンと。

薫郎の顔に顔を近づけて、

「ねっ、どっから洩れたそんな話。」


そんな翠に薫郎、

「ば~~か。そんなの言える訳ないだろ、会社の連中じゃないんだから~~。相手の名誉もある。」


翠、

「会社の人…じゃ…ない。」


薫郎、

「はい。神に誓って。」


翠、ぐしゅんとして、

「んじゃ、分かる訳…ないじゃんよ~~。」

下唇をビロ~~ンと。






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