翠と橙(みどりとゆず) vol.199 「ふん。…まっ、ふたりに内緒は…無理だから~~。」
そして、
「だ~~よね~~。ユウマ…、リハビリ終わり。もう…自分の部屋…。行きたいけど…。行けない。場所…分かんないもんね~~。」
椅子の背もたれに左二の腕を掛けての万美。
そんな万美に翠、ゆっくりと確実に、
「はい。そのとおり~~。」
その声に万美、
「えっ…???何それ…???その反応…???まさか…、みど…あんた…、ユウマの…。」
目をパチクリさせて、
「もしかして…、知ってる…???ユウマの部屋…???」
その声に向かいのまだ仕事中の尋音、
「えっ…???何々、みど…、ユウマの…???」
目を真ん丸と、そして唇を尖らせながら翠、
「ふん。…まっ、ふたりに内緒は…無理だから~~。」
万美、
「うそうそうそうそ。マジで…???マジで、マジで、マジで、知ってんの…ユウマの部屋…???」
翠、
「ふん。ゆずの部屋の隣~~。」
尋音、
「そう…だけど…。え゛――――――――っ!!!いつよ???いついつ???」
翠、ゆっくりと、
「もぅ…。3週間くらい…なるかな…。ほら。ユッキがこっちきて…。」
万美、
「うんうん。」
「ゆずがユウマの病室に見舞いに行って、その後、連絡なかったじゃん。」
尋音、
「あ~~。あった、あった。確か、3連休の時…。」
「うん。ユッキの見舞いに、雅樂じぃと、絃と一緒に行ったのね。」
万美、
「うん。」
「その見舞いの帰り、ようやくゆずからライン来て…。」
万美、
「うん。ライン来て…。」
翠、
「その時~~、ゆず…部屋で泣いてたの…。」
万美、尋音、
「はい…???泣いてた…???なんで…???」
そして、その時の事をふたりに話す翠。
万美、
「わっちゃ~~。あ~~。なんてこった~~。」
尋音、
「ゆず、撃沈…されたか…。…で、ユウマからライン来て、ゆずの部屋に…。絃と…。」
翠、
「…っとまぁ~~。そんな訳で…。」
数秒…沈黙。
万美、
「えっ…???えぇぇぇぇ…???…って言う事は~~。えぇぇぇぇ…???待てよ…???けど…、みどは~~。ユウマの部屋…知ってんだ…けど~~。でも、でもでも、でもでも。みどが~~。ユウマの部屋…知ってるって…。それ、ユウマ…知ってんの…???」
その万美の声に翠、顔を傾げて、
「さ…あ…???」
尋音、
「はい…???なにそれ…???」
翠、
「多…分~~。知ら…ない…では…、ないかと…。」
口を尖らせて。
「ととととと。とぉ~~。」
万美、尋音、
「は~~~~あ…???」
翠、
「まっ。いいんじゃない…???多分…、その内、バレるだろ…。かかかか。あぁ見えて、ゆず…、口…軽いから…。かかかか。」
万美、両手の平を胸の前で、
「やれやれ…。」
尋音、
「ふ~~~ん。」
「…でも…、まぁ…、良い感じのアパート。うん。窓からの眺めも良くって~~。良かったよ。」
翠。
万美、
「はいはい。」
少しドキドキしながら橙、巽の部屋のドアのボタン。そしてノックして、
「巽~~。」
数秒後、ドアが開き、
「おぅ。」
橙、
「おかえり。」
「うん。ただいま。今、帰り…???」
「うん。…リハビリ、終ったね。」
「ふん。予定通り。3週間で終了。」
「宣言…してたもんね。」
「かかかか。あぁ。」
そして巽、
「あっ。ゆず、ちょっと待ってて。」
その声に橙、
「へっ…???」
部屋の中に戻って巽、
「おま…、今帰ったばかりで…。…で、時間…あるだろ…???」
ドアの傍で橙、
「あ~~。うん。」
「…じゃ、行こか。」
その声に橙、
「へっ…???」




