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翠と橙(みどりとゆず) vol.191 「一方的なゆずの…か・た・お・も・い…。」

そして翌日のジェシカ、休憩ブース。


「え――――――――っ!!!!ゆずが…ユッキに、手編みのマフラーと、バレンタイン…チョコ…。10年前……。」

翠、万美から聞いた話に。


万美、

「うん。ゆず、中学生の時、ユッキと同じクラスだったんだって。…で、ユッキに優しくしてもらって…。」


「え~~~。ユッキと同じクラスだったの、ゆず…。」

「うん。まっ、でも…、ユッキがゆずの事…好きだったという…証拠は…ないんだけ…ど~~。」


その万美の声に翠、

「うんうん。全然、全く、聞いたこと…ない、そんな事。」


おちょぼ口で話す翠に万美、

「まぁ~ね~~。…だって、ゆず自体…、ユッキと話したことなんて…、殆どなかったって…。」


「え~~~。…って、事は…、なに、一方的なゆずの…か・た・お・も・い…。」

「うん。…でも、手編みのマフラーをユッキにプレゼントしたって…。ゆずにとっては…、これって…。」


翠、腕組みして、

「ふん。…確かに、相当…好きだったんだね~~。ユッキの事…。」

そして、思い出す翠、

「かかかかか。私…、そんな10年前…。杉浦薫郎なんて、出会ってもいないや…。かかかか。」


「…って言うか~~。その頃、みどはユウマ…。」


そんな万美の声に翠、

「あっ。」


万美、

「つまりは…みどの初恋はユウマ。そして~~、ゆずの初恋が…ユッキ。」


翠、

「……。」


「結局、その後は、みどにしても、ゆずにしても、好きな人とは、別れ別れに…。」

「ふん。」


「当然、ユッキが、ゆずの事、今も…好きなんて…、全然分かんないんだけど~~。」


翠、またまた口を尖らせて、

「そりゃ、分かんないよ、一緒に生活してるって言っても、今まで、ユッキと、そんな事、話したことなんて、一度もないから…。」


「ばか、あるわけないでしょ。話してたら、一緒に生活…してないでしょ。」

「かかかか。まぁ…、そうなる…わな~~。」


「でも…、ユッキも…かなり…優しいとこ…あるからな~~。」

腕組みしながら万美。


「当~~然。んじゃなかったら、一緒に生活してないよ。」

「阿川さんがね…。」


「うん。フレバーの…???」

「うん。ヤマチとゆず、そしてユッキとフレバーに初めて乗り込んだ時…。」


「うん。」

「ゆずとユッキ、付き合っているもんだと、思われたみたい。」


その声に翠、

「え~~~~っ。」


万美、

「ふん。阿川さんから、そんな風に、言われたんだって。」


「ふ~~~ん。」

「しかも~~。帰りの仙台駅で。」


「…ん…???」

「ゆず、余りの緊張で具合悪くなったんだって。」


「あいや。」

「その時、待合室から新幹線まで、ユッキ、ゆずを負ぶってくれたんだって。」


再び翠、

「あぃや~~~~。全然、聞いてないよ~~~。」


その声に万美、

「ばか、言える訳ないでしょ。」


翠、

「あ~~。はぃはぃ。かかか…、うん。そっか。」


「そして、今回のユッキの腹膜炎。」

「うん。」


コーヒーを飲みながら万美、

「ゆず…夢…見たんだって。」


翠、

「夢…???」


「ユッキ…、容態急変して重篤になった夢。ゆず、そんな夢見て、夢の中で、ユッキ、死んじゃいや――――――――って。」

「へっ…???そんな夢…。」


「うん。でもこれ、フレバーの阿川さんも知ってるって…。」

「へぇ~~~。」








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